公式資料をもとに整理
育児休業と産後パパ育休の取得条件・申出期限
1歳に満たない子を育てる従業員が育児休業を申し出たときは、男女を問わず、会社は原則として断れません(育児・介護休業法第5条・第6条)。子の出生後8週間以内には、別に4週間まで2回に分けて取れる産後パパ育休(出生時育児休業)もあります。従業員を雇う電気工事業の事業者向けに、取れる人、申出の期限、労使協定で除外できる範囲、休業中の給付を条文と厚生労働省の資料から整理します。
公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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育児休業を取れる人と期間
対象は、原則として1歳になるまでの子を育てる男女の従業員です。
厚生労働省のQ&Aでは、育児休業は従業員が事業主に申し出れば取れる制度で、就業規則に定めがなくても取得できるとされています。日々雇用の従業員は対象外です。
- 育児休業は、1歳到達日までの間に、原則として2回まで取れます(第5条第2項)。
- 保育所等に入れない場合など、雇用の継続のために特に必要と認められる一定の場合は、1歳6か月、さらに2歳に達する日までの休業を申し出られます(第5条第3項・第4項)。
- 両親がともに育児休業をする場合で一定の要件を満たすと、子が1歳2か月になるまでの間で1年間まで取れます(パパ・ママ育休プラス)。1人あたりの休業は1年間(出産した女性は出生日と産後休業期間を合わせて1年間)が限度です。
契約期間に定めのある従業員は、子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新後を含む)が満了して更新されないことが明らかでない場合に申し出られます(第5条第1項ただし書)。
産後パパ育休(出生時育児休業)
産後パパ育休は、子の出生後8週間以内に、4週間(28日)まで、2回に分けて取れる休業です。1歳までの育児休業とは別に取得でき、産後休業を取得していない従業員が対象です(第9条の2第1項・第2項)。産後休業を取得していない従業員が対象という点は、厚生労働省Q&Aに書かれています。
| 項目 | 育児休業 | 産後パパ育休 |
|---|---|---|
| 取れる期間 | 原則、子が1歳になるまで | 子の出生後8週間以内に4週間まで |
| 分割 | 原則2回 | 2回(初めにまとめて申し出る) |
| 申出の期限 | 休業開始予定日の1か月前まで(1歳6か月・2歳への延長の申出は2週間前まで) | 原則2週間前まで(労使協定で1か月前までにできる) |
| 休業中の就業 | 原則なし | 労使協定がある場合に、従業員の同意の範囲で可能 |
休業中の就業には上限があり、休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分までです。電気工事の現場で人手が足りず、休業中の従業員に頼みたくなる場面があっても、労使協定がなく本人の同意もない就業は求められません。
申出の期限と会社が断れる範囲
- 1歳までの育児休業の申出は、原則として休業開始予定日の1か月前までに、子の氏名、生年月日、続柄、休業の開始と終了の予定日を明らかにして書面でします(厚生労働省Q&A)。
- 事業主は、申出を拒むことができません。
- 例外は、過半数労働組合(無ければ過半数代表者)との書面による労使協定で、休業を取れないと定めた従業員だけです。法律に書かれた除外は、引き続き雇用された期間が1年に満たない従業員と、そのほか省令で定める従業員です(第6条第1項ただし書)。
- 申出や取得を理由に、解雇その他の不利益な取扱いをすることは禁止です。根拠は第10条です。
協定がなければ、入社して間もない従業員が申し出ても断れません。妊娠中の従業員の配慮は妊娠中・産後の就業制限のガイド、就業規則の基本は労働条件通知書と就業規則のガイドにまとめています。
休業中の育児休業給付金
育児休業中の賃金を払う義務は、育児・介護休業法には書かれていません。休業開始前2年間にみなし被保険者期間が通算12か月以上あるなどの要件を満たす雇用保険の被保険者には、育児休業給付金が出ます(雇用保険法第61条の7)。
- 給付金の額は、1支給単位期間(1か月)について、休業開始時賃金日額×支給日数の100分の50です。休業日数が通算して180日に達するまでは100分の67です(第61条の7第6項)。
- 休業中に会社から賃金が払われ、賃金と給付金の合計が休業開始時賃金日額×支給日数の8割以上になるときは、給付金が減ります(同条第7項)。
産後パパ育休の給付、出生後休業支援給付など、ほかの給付の細かい条件はこの記事では扱いません。休業中の社会保険料は産休・育休の社会保険料免除のガイドで整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の従業員が休業を取れるか、給付金がいくらになるかは判定しません。
- 省令で定める除外の細目、保育所に入れない場合などの特別の事情の範囲、申出書の様式は扱いません。
- 子の看護等休暇、短時間勤務、残業の免除は扱いません。子の看護等休暇と介護休暇は子の看護等休暇と介護休暇のガイド、介護休業は介護休業のガイドにあります。
- 一人親方や個人事業主として請け負う人には、この整理は直接あてはまりません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の運用は、所轄の都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))と、給付金は事業所を管轄するハローワークで確認してください。条文はe-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」、e-Gov法令検索「雇用保険法」、 制度の概要は厚生労働省「Q3 育児休業を取りたい」、厚生労働省「Q10 産後パパ育休(出生時育児休業)とは」です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいことは、出産に関する給付は出産手当金と出産育児一時金のガイド、雇用保険の加入条件は労働保険の加入のガイド、有期契約の更新は有期契約の無期転換のガイドです。