労働安全衛生法第66条の8・第66条の8の3・労働安全衛生規則第52条の2〜第52条の7の3

長時間労働の医師の面接指導(月80時間超)

従業員が週40時間を超えて働いた時間が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められるとき、本人が申し出れば、事業者は医師による面接指導を遅滞なく行わなければなりません。面接指導の結果は5年間保存し、結果に基づく医師の意見を聴いたうえで、必要なら就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を講じます。 従業員の人数による適用の下限は、この条文にはありません。

公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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面接指導の対象になる従業員

対象は、休憩時間を除き1週間40時間を超えて働いた時間が1か月80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる従業員です。e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第52条の2第1項が定めています。直前1か月以内に面接指導を受けた人など、医師が改めて受ける必要はないと認めた人は除かれます。

超えた時間の算定は、毎月1回以上、一定の期日を決めて行います(同条第2項)。算定したあと、80時間を超えた従業員には、その超えた時間の情報を速やかに通知します(同条第3項)。通知は、従業員が申出をするかどうかを考える材料になります。

残業の上限そのものは残業の上限規制と36協定のガイドで整理しています。面接指導は、その上限を守っていても、実際に働いた時間が80時間を超えれば対象になり得る別の仕組みです。

申出から措置までの流れ

e-Gov法令検索「労働安全衛生法」第66条の8と規則第52条の3以下は、次の順に進むと定めています。

面接指導から措置までの流れ
順内容根拠
1対象の従業員が、算定の期日後、遅滞なく申し出る(産業医は申出を勧奨できる)規則第52条の3第1項・第2項・第4項
2事業者は、申出があったら遅滞なく医師による面接指導を行う規則第52条の3第3項
3医師は、勤務の状況、疲労の蓄積の状況、心身の状況を確認する規則第52条の4
4結果の記録を作り、5年間保存する法第66条の8第3項、規則第52条の6
5面接指導のあと遅滞なく、健康を保持するために必要な措置について医師の意見を聴く法第66条の8第4項、規則第52条の7
6必要と認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講じ、医師の意見を衛生委員会などへ報告する法第66条の8第5項

従業員は、事業者の指定した医師の面接指導を受けなければなりません。ただし、希望する別の医師の面接指導を受け、実施年月日・医師の氏名・疲労の蓄積の状況などを記した書面を事業者に提出したときは、その限りではありません(法第66条の8第2項、規則第52条の5)。

労働時間の状況の把握と、記録の保存期間

法第66条の8の3は、面接指導を実施するために、事業者に従業員の労働時間の状況を把握するよう求めています。規則第52条の7の3第1項が認める方法は、タイムカードによる記録、パソコンの使用時間の記録などの客観的な方法、その他の適切な方法です。

把握した労働時間の状況の記録は、3年間保存するための措置を講じます(同条第2項)。面接指導の結果の記録の5年間とは期間が違います。現場へ直行直帰する従業員の時間の数え方は、労働時間の記録義務のガイドで整理しています。

80時間以下の従業員への措置は努力義務

法第66条の9は、面接指導を行う従業員以外で、健康への配慮が必要な従業員について、必要な措置を講ずるよう努めなければならないと定めています。規則第52条の8は、この措置を、面接指導の実施、またはこれに準ずる措置としています。

どの従業員に行うかは、事業場で定めた基準に該当する人に対して行うものとされています(同条第2項)。80時間に届かない従業員でも、自社の基準に当てはまれば、面接指導に準ずる措置の対象になり得ます。

基準の決め方は、事業場の衛生委員会で話し合う場面があります。委員会の開き方は安全委員会・衛生委員会の運営で確認できます。

罰則の列挙の確認結果

2026年10月23日にe-Govで確認した法第120条第1号の本文には、第66条の8の2第1項(研究開発業務の長時間労働者への面接指導)と第66条の8の4第1項(高度プロフェッショナル制度の対象者への面接指導)が挙がっています。第66条の8第1項と第66条の8の3は挙がっていません。

列挙に挙がっていないことは、面接指導をしなくてよいという意味ではありません。法第66条の8第1項は「行わなければならない」と定めています。実施の要否や記録の書き方は、所轄の労働基準監督署に確認してください。

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の従業員が面接指導の対象になるか、医師の手配の方法、記録の書き方は、所轄の労働基準監督署に確認してください。

次に知りたいことは、ストレスチェックの実施義務のガイドと、従業員に行う健康診断のガイドで確認できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。