電気設備の技術基準の解釈 第116条・低圧架空引込線
低圧架空引込線の高さ(道路横断5m・地表上4m)の基準
低圧架空引込線の電線の高さは、道路を横断する場合は原則として路面上5m以上、鉄道・軌道の横断と横断歩道橋の上を除くその他の場所は地表上4m以上です。技術上やむを得ず交通に支障がない場合は、道路横断で3m、その他の場所で2.5mまで下げられます。経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」第116条から、高さ・電線の規格・連接引込線の制限を整理します。
公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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低圧架空引込線とは
架空引込線は、架空電線路の支持物から、他の支持物を経ずに需要場所の取付け点に至る架空電線です。解釈第1条の用語の定義では、引込線を、架空引込線と、需要場所の造営物の側面などに施設する電線のうち、需要場所の引込口に至るものと書いています。
第116条は、このうち使用電圧が低圧のものを対象に、第1項で架空部分、第2項で屋側・屋上部分、第4項で連接引込線の施設方法を定めています。引込線のどこまでが電力会社側でどこからが需要場所側かは、責任分界点の考え方で決まります(責任分界点と電気工事の範囲)。
電線の高さの基準(116-1表)
第116条第1項第六号は、電線の高さを116-1表の値以上とすると定めています。区分ごとの値は次のとおりです。
| 区分 | 条件 | 高さ |
|---|---|---|
| 道路(歩行の用にのみ供される部分を除く)を横断する場合 | 技術上やむを得ない場合で、交通に支障のないとき | 路面上3m以上 |
| その他の場合 | 路面上5m以上 | |
| 鉄道または軌道を横断する場合 | (条件の区別なし) | レール面上5.5m以上 |
| 横断歩道橋の上に施設する場合 | (条件の区別なし) | 横断歩道橋の路面上3m以上 |
| 上記以外の場合 | 技術上やむを得ない場合で、交通に支障のないとき | 地表上2.5m以上 |
| その他の場合 | 地表上4m以上 |
「技術上やむを得ない場合」に当たるかどうかは、表には基準が書かれていません。個別の現場でどちらの値を使うかは、電力会社や所轄の産業保安監督部に確認してください。
使える電線と太さの基準
- 電線は絶縁電線またはケーブルであること(第一号)。
- ケーブルを除き、引張強さ2.30kN以上のもの、または直径2.6mm以上の硬銅線であること。径間(支持物の間隔)が15m以下の場合に限り、引張強さ1.38kN以上、または直径2mm以上の硬銅線を使えます(第二号)。
- 屋外用ビニル絶縁電線は、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設すること(第三号)。
- 屋外用ビニル絶縁電線以外の絶縁電線は、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること(第四号)。
- ケーブルは、第67条(第五号を除く)に準じて施設すること。ただしケーブルの長さが1m以下の場合は除きます(第五号)。
屋側部分・屋上部分については、第2項が、第110条第2項(第一号チを除く)と第3項に準じて施設するよう定めています。
ほかの工作物との離隔距離(116-2表)
電線がほかの工作物と接近・交差する場合、原則は低圧架空電線の規定(第71条から第79条)に準じます(第七号)。そのうえで、引き込んだ造営物以外の工作物(道路、横断歩道橋、鉄道、軌道、索道、電車線、架空電線を除く)と接近・交差し、技術上やむを得ない場合は、第71条から第78条の規定によらず、116-2表の離隔距離以上で、危険のおそれがないように施設することができます(第八号)。
| 区分 | 低圧引込線の電線の種類 | 離隔距離 |
|---|---|---|
| 造営物の上部造営材の上方 | 高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、ケーブル | 0.5m |
| 屋外用ビニル絶縁電線以外の低圧絶縁電線 | 1m | |
| その他 | 2m | |
| その他 | 高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、ケーブル | 0.15m |
| その他 | 0.3m |
需要場所の取付け点付近に限り、日本電気技術規格委員会規格 JESC E2005(2002)「低圧引込線と他物との離隔距離の特例」による場合は、この表によらないことができます。引き込んだ造営物との離隔距離についても、危険のおそれがない場合に限り、第71条第1項第二号と第78条第1項によらない例外があります(第七号)。
連接引込線の三つの制限
第116条第4項は、低圧連接引込線について、第1項から第3項に準じる施設に加えて三つの制限を定めています。次のとおりです。
- 引込線から分岐する点から100mを超える地域にわたらないこと。
- 幅5mを超える道路を横断しないこと。
- 屋内を通過しないこと。
この整理で言えないこと
- 個別の引込線の高さや離隔が基準に適合するか、工事の可否は判定しません。
- 第3項は、第82条第2項・第3項の低圧架空電線に直接接続する架空引込線を、第1項にかかわらず第82条に準じて施設できると定めています。この例外の中身は扱いません。
- 高圧架空引込線(第117条)、屋側電線路(第110条)、低圧架空電線の接近・交差(第71条から第79条)の中身は扱いません。
- 引込線の工事を誰が行うか、費用の負担や申込みの手順は、電力会社の約款・手続によるため扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の引込線の適否は、電力会社や所轄の産業保安監督部、電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第116条、第1条第九号・第十号)です。
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次に知りたいことは、責任分界点は責任分界点と電気工事の範囲、配線の離隔は低圧配線の離隔距離、技術基準の位置づけは省令と解釈の違いです。