電気設備の技術基準の解釈 第183条
特別低電圧照明回路は2次側24V以下(解釈第183条)
特別低電圧照明回路は、専用の電源装置の2次側の使用電圧が24V以下、最大使用電流が25A以下で、屋内の乾燥した場所に施設します。吊り下げた導体で白熱電灯を支える照明が対象で、導体は引張強さ784N以上か断面積4mm2以上の軟銅線です。
公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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特別低電圧照明回路とは(第183条の対象)
特別低電圧照明回路は、導体で吊り下げて支える白熱電灯に、専用の電源装置から電気を供給する回路です。条文では、両端を造営材に固定した導体、または一端を造営材の下面に固定して吊り下げた導体で支持された白熱電灯に電気を供給する回路で、専用の電源装置に接続されるものと定めています。
ここでの導体は、電気を送る線であると同時に、電灯を支える線でもあります。 そのため、電気の条件だけでなく、重さに耐える強さの条件も条文に入っています。
| 項 | 対象 | 定める内容 |
|---|---|---|
| 第1項 | 回路(支持導体と接続線) | 施設場所、大地からの絶縁、支持導体と接続線の仕様 |
| 第2項 | 専用の電源装置 | 変圧器の規格、1次側・2次側の電圧、最大使用電流、短絡時の遮断、施設場所 |
| 第3項 | 白熱電灯と付属品の金属製部分 | 第1項の絶縁・防護の規定に準じる |
| 第4項 | 施設できない場所 | 省令第70条、解釈第175条から第178条の場所 |
施設場所と大地からの絶縁(第1項第一号・第二号)
特別低電圧照明回路は、屋内の乾燥した場所に施設し、大地から絶縁します。あわせて、次の2つのものと電気的に接続しないようにします。
- イ: この特別低電圧照明回路の電路以外の電路。
- ロ: 低圧屋内配線工事に用いる金属製の管、ダクト、線ぴなど。
支持導体の決まり(第1項第三号)
白熱電灯を支える電線(支持導体)は、引張強さ784N以上のもの、または断面積4mm2以上の軟銅線で、接続する全ての照明器具の重量に耐えるものにします。そのうえで、展開した場所に施設し、簡易接触防護措置を施します。
- ロ: 展開した場所に施設する。
- ハ: 簡易接触防護措置を施す。
- ニ: 造営材と絶縁し、堅ろうに固定する。
- ホ: 造営材を貫通させない。
- ヘ: 他の電線、弱電流電線、金属製の水管・ガス管などと接触しないように施設する。
- ト: 支持導体どうしは、通常の使用状態や揺れ・ねじれの場合も、直接接触しないように施設する。ただし、一端を造営材に固定し、いずれか一線に被覆線を用いる場合は、この限りではない。
簡易接触防護措置など、電気設備の技術基準で使う語の意味は電気設備の技術基準の省令と解釈で整理しています。
接続線の決まり(第1項第四号)
専用の電源装置から支持導体へ電気を送る電線(接続線)は、断面積1.5mm2以上の被覆線で、供給する白熱電灯の定格電流の合計以上の許容電流があるものにします。支持導体と違い、造営材を貫通できる場合があります。
| 項目 | 支持導体(第三号) | 接続線(第四号) |
|---|---|---|
| 役割 | 白熱電灯を支持し電気を供給する | 電源装置から支持導体へ電気を供給する |
| 太さ・強さ | 引張強さ784N以上、または断面積4mm2以上の軟銅線。全ての照明器具の重量に耐える | 断面積1.5mm2以上の被覆線。許容電流は白熱電灯の定格電流の合計以上 |
| 施設場所 | 展開した場所 | 展開した場所または点検できる隠ぺい場所(ケーブル・キャブタイヤケーブルは除く) |
| 造営材の貫通 | 貫通しない | 貫通できる。ケーブル・キャブタイヤケーブル以外は貫通部を絶縁性のもので保護する |
| 張力 | 堅ろうに固定する | 張力が加わらないようにする(支持導体と同等以上の強さなら除く) |
| 他の電線との接触 | 接触しない | 接触しない(ケーブル・キャブタイヤケーブルなら他の電線・弱電流電線との接触の規定は除く) |
メタルラス張り、ワイヤラス張り、金属張りの造営材を接続線が貫通する場合は、第145条第1項に準じて施設します。 ただし、接続線を防護装置に収める場合と、キャブタイヤケーブルまたはケーブルを使う場合は除かれます(第四号ホ)。 メタルラス張り、ワイヤラス張り、金属板張りの木造の造営物では、接続線を金属製の防護装置に収める場合や、金属被覆のあるケーブルを使う場合に、第145条第2項に準じて施設します(第四号ヘ)。
専用の電源装置の条件(第2項)
電源装置は、1次側の対地電圧が300V以下、2次側の使用電圧が24V以下、2次側電路の最大使用電流が25A以下のものにします。変圧器は、安全絶縁変圧器か、JIS C 8147-2-2(2011)に適合する独立形安全超低電圧電子トランスに限られます。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 規格(第一号イ) | 日本電気技術規格委員会が承認した規格に規定する安全絶縁変圧器、またはJIS C 8147-2-2(2011)に適合する独立形安全超低電圧電子トランス |
| 電圧(第一号ロ) | 1次側の対地電圧は300V以下、2次側の使用電圧は24V以下 |
| 最大使用電流(第一号ハ) | 2次側電路は25A以下 |
| 短絡時の遮断(第一号ニ) | 2次側電路の短絡時に自動で遮断する装置を設ける。ただし、定格2次短絡電流が最大使用電流の値を超えるおそれがない場合は除く |
| 施設場所(第二号) | 屋内の乾燥し、かつ展開した場所。耐火性の外箱に収めたものは、点検できる隠ぺい場所にも施設できる |
| 固定(第三号) | 造営材に固定する。ただし、展開した場所で、差込み接続器を介して屋内配線と接続する場合は除く |
金属製部分と施設できない場所(第3項・第4項)
白熱電灯と付属品の金属製部分は、第1項第二号、第三号ハ、第三号ヘの規定に準じて施設します。つまり、大地から絶縁し、他の電路や金属製の管・ダクトと接続せず、簡易接触防護措置を施し、他の電線・弱電流電線や金属製の水管・ガス管と接触させません。
特別低電圧照明回路と、これに接続する電源装置・白熱電灯・付属品は、省令第70条と解釈第175条から第178条までに規定する場所に施設できません(第4項)。 関連する条文は、粉じんの多い場所の施設(解釈第175条)と可燃性ガスのある場所の施設(解釈第176条)で整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の照明器具や電源装置が、この条文の「特別低電圧照明回路」に当たるかどうかは判定しません。
- 第145条、第175条から第178条の本文は、数値を含めて条文で確認する必要があります。
- 接続線と造営材の貫通に関する第145条の本文は、条文で確認する必要があります。
- 電源装置が日本電気技術規格委員会承認の規格やJIS C 8147-2-2(2011)に適合するかどうかは、製造者の表示や仕様書の確認が必要で、本記事では判断できません。
- この種の照明の取付けに電気工事士の資格が要るかどうかは、電気工事士法で決まり、第183条では決まりません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第183条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:交通信号灯回路の施設(解釈第184条)、小勢力回路の施設(解釈第181条)、低圧・高圧・特別高圧の電圧区分