電気設備の技術基準の解釈 第171条

低圧の移動電線は断面積0.75mm2以上(解釈第171条)

低圧の移動電線は、電線の断面積を0.75mm2以上とし、屋内配線や電気機械器具との接続には差込み接続器その他これに類する器具を用います。高圧の移動電線は3種のキャブタイヤケーブルに限られ、特別高圧の移動電線は原則として施設できません。

公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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移動電線とは何か

移動電線は、電気使用場所に施設する電線のうち、造営物に固定しないものをいい、電球線と電気機械器具内の電線は含みません(第1条第六号)。第171条は、移動電線の太さ、種類、接続の方法を定めた条文です。

第171条の構成
項対象主な内容
第1項低圧の移動電線断面積0.75mm2以上、電線の種類、接続に差込み接続器を使う
第2項接地線を兼ねる場合多心コード・多心キャブタイヤケーブルの線心の1つを接地線に使う場合の接続方法
第3項高圧の移動電線3種のキャブタイヤケーブル、堅ろうな接続、専用の開閉器・過電流遮断器、地絡遮断装置
第4項特別高圧の移動電線第191条第1項第八号により屋内に施設する場合を除き、施設しない

第181条第1項第七号(第182条第五号で準用する場合を含む)に定める移動電線は、第1項の対象から除かれています。 小勢力回路の移動電線は小勢力回路の施設(第181条)の記事で整理しています。

低圧の移動電線の条件(第1項)

低圧の移動電線は、断面積が0.75mm2以上で、条文の171-1表に載っている種類の電線を使います。接続は、相手が屋内配線か、屋側・屋外配線か、電気機械器具かで規定が分かれます。

低圧の移動電線の条件(第171条第1項)
号項目条件
第一号電線の断面積0.75mm2以上
第二号電線の種類171-1表に規定するもの
第四号屋内配線との接続差込み接続器その他これに類する器具を用いる(ちょう架用線にちょう架して施設する場合は除く)
第五号屋側配線・屋外配線との接続差込み接続器を用いる
第六号電気機械器具との接続差込み接続器その他これに類する器具を用いる(簡易接触防護措置を施した端子にコードをねじ止めする場合は除く)

171-1表は、使用電圧が300V以下の屋内、300V以下の屋側・屋外、300V超の3区分に分かれ、電線の種類ごとに使える範囲が違います。 表には「乾燥した場所に限る」「特定の機械器具に附属する場合に限る」といった注記つきの区分もあり、種類ごとの可否は条文の表で確認してください。

屋内300V以下で第一号・第二号によらない場合

屋内で使う300V以下の移動電線は、次の4つの場合だけ、第一号の太さと第二号の種類によらなくてよいとされています。それ以外の場合は、第一号・第二号のとおりです。

第一号・第二号によらないことができる場合(第171条第1項第三号)
号該当する場合
イ電気ひげそり、電気バリカンなど軽小な家庭用電気機械器具に附属する移動電線に、長さ2.5m以下の金糸コードを使い、乾燥した場所で使用する場合
ロ電気用品安全法の適用を受ける装飾用電灯器具(直列式のものに限る)に附属する移動電線を、乾燥した場所で使用する場合
ハ第172条第3項の規定によりエレベータ用ケーブルを使用する場合
ニ第190条の規定により溶接用ケーブルを使用する場合

ハとニは、別の条文が移動電線の種類を定めているため、第171条の規定から外れる場合です。 溶接用ケーブルはアーク溶接装置の施設(第190条)の記事で整理しています。

多心コードの線心を接地線に使う場合(第2項)

移動電線に接続する電気機械器具の金属製外箱に第29条第1項の接地工事を施す場合、多心コードまたは多心キャブタイヤケーブルの線心の1つを接地線として使えます。その場合は、第2項の3つの号に従って接続します。

線心を接地線に使う場合の条件(第171条第2項)
号条件
第一号造営物に固定している接地線との接続に、屋内配線等との接続に使う差込み接続器その他これに類する器具の1極を用いる
第二号電気機械器具の外箱との接続に、電気機械器具との接続に使う差込み接続器その他これに類する器具の1極を用いる(ねじ止めで接続する場合は除く)
第三号接地線に接続する1極は、他の極と明確に区別できる構造にする

接地工事の種類と接地抵抗値は接地工事の種類(A種〜D種)の記事で整理しています。

高圧・特別高圧の移動電線(第3項・第4項)

高圧の移動電線は、高圧用の3種クロロプレンキャブタイヤケーブルまたは3種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブルに限られます。特別高圧の移動電線は、第191条第1項第八号の規定により屋内に施設する場合を除き、施設できません。

高圧の移動電線の条件(第171条第3項)
号項目条件
第一号電線高圧用の3種クロロプレンキャブタイヤケーブルまたは3種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル
第二号電気機械器具との接続ボルト締めその他の方法で堅ろうに接続する
第三号イ開閉器・過電流遮断器専用のものを各極に施設する(過電流遮断器が開閉機能を有する場合は過電流遮断器のみにできる)
第三号ロ地絡遮断地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する

低圧の移動電線と違い、高圧では差込み接続器による接続は規定されておらず、堅ろうな接続が求められます。 誘導電動機の2次側電路は、第三号の規定から除かれています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第171条)です。

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次に知りたいこと:電球線の施設(解釈第170条)、低圧配線の最小電線太さ、場所別の屋内配線工事の種類

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