電気設備の技術基準の解釈 第190条

アーク溶接装置の1次側300V以下・D種接地(解釈第190条)

可搬型の溶接電極を使うアーク溶接装置は、溶接変圧器を絶縁変圧器にし、1次側電路の対地電圧を300V以下にします。1次側には容易に開閉できる開閉器を設け、被溶接材やこれにつながる治具・定盤などの金属体にはD種接地工事を施します。

公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。

第190条の対象と項・号の構成

第190条の対象は、可搬型の溶接電極を使用するアーク溶接装置です。条文の見出しは「アーク溶接装置の施設」で、省令の根拠として第56条第1項、第57条第1項、第59条第1項が示されています。

アーク溶接装置の施設(第190条)の構成
項・号対象定める内容
第1項第一号溶接変圧器絶縁変圧器であること
第1項第二号1次側電路対地電圧は300V以下
第1項第三号1次側電路の開閉器溶接変圧器に近く、容易に開閉できる箇所に施設
第1項第四号2次側電路の電線溶接用ケーブルなどの種類、通せる電流、防護
第1項第五号被溶接材などの金属体D種接地工事
第2項溶接用ケーブル導体、絶縁体、外装、耐電圧の性能

溶接変圧器と1次側電路(第一号〜第三号)

溶接変圧器は絶縁変圧器にし、その1次側電路の対地電圧は300V以下にします。1次側電路には、溶接変圧器に近い箇所で、容易に開閉できる箇所に開閉器を施設します。

2次側電路の電線(第四号)

2次側電路のうち、溶接変圧器から溶接電極までと、溶接変圧器から被溶接材までの部分は、使える電線の種類が決まっています。電気機械器具の内部の電路は、この規定から除かれます。

2次側電路に使える電線(第190条第1項第四号イ・ロ)
区間使える電線
溶接変圧器から溶接電極まで(イ)電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第八2(100)イ(ロ)bに適合する溶接用ケーブル、第2項に規定する溶接用ケーブル、または1種キャブタイヤケーブル・ビニルキャブタイヤケーブル・耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブル以外のキャブタイヤケーブル
溶接変圧器から被溶接材まで(ロ)イの(イ)・(ロ)に規定する溶接用ケーブル、キャブタイヤケーブル、または電気的に完全に、かつ、堅ろうに接続された鉄骨等

どちらの区間にも共通して、電路は溶接のときに流れる電流を安全に通じることのできるものにします(ハ)。 重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設する電線には、適当な防護装置を設けます(ニ)。

電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の本文は、電気用品安全法の技術基準側の資料です。 電気用品安全法の全体像は電気用品安全法の概要で整理しています。

被溶接材などの接地(第五号)

被溶接材、またはこれと電気的につながる治具や定盤などの金属体には、D種接地工事を施します。関連する省令として、第10条と第11条が条文に示されています。

D種接地工事の内容は接地工事のA種からD種で整理しています。

溶接用ケーブルの規格(第2項)

第1項第四号イ(ロ)でいう溶接用ケーブルは、導体・絶縁体・外装・耐電圧の4つの面で、第2項の条件に適合するものです。導体と絶縁体の条件は、次のとおりです。

第2項の溶接用ケーブルの条件
項目条件
導体(第一号)別表第1の軟銅線で直径1mm以下のものを素線としたより線、または190-1表のアルミ線(硬・半硬・軟)を素線としたより線
絶縁体の材料(第二号イ)導線用は天然ゴム混合物またはクロロプレンゴム混合物、ホルダー用は天然ゴム混合物(日本電気技術規格委員会承認の規格の要件に適合するもの)
絶縁体の厚さ(第二号ロ)190-2表の値以上。例: 導体の公称断面積が100mm2を超え125mm2以下なら、導線用3.3mm・ホルダー用1.2mm
外装(第三号)ホルダー用のものは、天然ゴム混合物・クロロプレンゴム混合物・クロロスルホン化ポリエチレンゴム混合物で、厚さは別表第8の値以上
耐電圧(第四号)清水中に1時間浸したあと、導体と大地との間に交流1,500V(導線用は1,000V)を連続して1分間加えて耐える性能

190-1表のアルミ線は、いずれも導体の直径0.45mmで、導電率は61.0%以上です。 引張強さと伸びの条件は、硬アルミ線が159N/mm2以上・1.2%以上、半硬アルミ線が98.1N/mm2以上159N/mm2未満・1.2%以上、軟アルミ線が58.8N/mm2以上98.1N/mm2未満・1.6%以上です。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第190条)です。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいこと:遊戯用電車の施設(解釈第189条)、電撃殺虫器の施設(解釈第193条)、アーク溶接・ガス溶接の特別教育と資格

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。