電気設備の技術基準の解釈 第220条
逆潮流・単独運転・逆充電・自立運転の違い(解釈第220条)
逆潮流は「構内から系統へ向かう有効電力の流れ」、単独運転は「系統が切り離されたのに分散型電源が発電を続け、線路の負荷へ電力を供給する状態」です。逆充電と自立運転も、系統との関係で区別されています。この記事は、第220条が定める用語の意味を表にまとめます。
公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第220条の対象と分散型電源の定義
第220条は、解釈の第8章「分散型電源の系統連系設備」で使う用語を、各号で定義した条文です。ここで定めた意味が、連系に関する他の条文にそのまま使われます。
分散型電源とは、電気事業法第38条第4項第一号・第三号・第五号の事業者以外の者が設置する発電設備等です。 そのうち、一般送配電事業者・配電事業者が運用する電力系統か、地域独立系統に連系するものを指します。 発電設備等には発電設備と電力貯蔵装置が含まれ、停電時や電圧低下時にだけ使う非常用予備電源は含まれません。
逆潮流・単独運転・逆充電・自立運転の違い
4つの用語は、系統とつながっているか、系統へ電力を送り出しているかで分かれます。逆潮流だけが通常の連系中の状態で、他の3つは系統が切り離されたとき、または解列したときの状態です。
| 用語 | 定義の要点 | 系統との関係 |
|---|---|---|
| 逆潮流(第四号) | 分散型電源設置者の構内から、一般送配電事業者が運用する電力系統側へ向かう有効電力の流れ | 系統とつながっている |
| 単独運転(第五号) | 連系している電力系統が事故等で系統電源と切り離された状態で、分散型電源が発電を続け、線路負荷に有効電力を供給している状態 | 系統が切り離された。分散型電源は線路負荷に電力を供給 |
| 逆充電(第六号) | 同じく系統が切り離された状態で、分散型電源のみが電力系統を加圧し、かつ、その系統へ有効電力を供給していない状態 | 系統が切り離された。系統を加圧するだけで電力は供給しない |
| 自立運転(第七号) | 分散型電源が、連系している電力系統から解列された状態で、設置者の構内負荷にのみ電力を供給している状態 | 分散型電源の側から系統を切り離している。構内の負荷だけに供給 |
単独運転と逆充電は、どちらも系統が事故等で切り離された状態の話です。 違いは、線路負荷へ有効電力を供給しているか(単独運転)、系統を加圧するだけで有効電力は供給していないか(逆充電)の点にあります。 自立運転は、系統が事故で切り離されたのではなく、分散型電源が系統から解列されたうえで、構内負荷にだけ供給する状態です。
解列と検出装置などの用語
解列は「電力系統から切り離すこと」で、単独運転の検出装置は検出の方法で2種類に分けられています。どの装置を設けるかを決める連系側の条文は、この記事の範囲外です。
| 用語 | 定義の要点 |
|---|---|
| 解列(第三号) | 電力系統から切り離すこと |
| 線路無電圧確認装置(第八号) | 電線路の電圧の有無を確認するための装置 |
| 転送遮断装置(第九号) | 遮断器の遮断信号を通信回線で伝送し、別の構内に設置された遮断器を動作させる装置 |
| 受動的方式の単独運転検出装置(第十号) | 単独運転へ移行したときに生じる電圧位相・周波数等の変化により、単独運転状態を検出する装置 |
| 能動的方式の単独運転検出装置(第十一号) | 有効電力出力・無効電力出力等に平時から変動を与えておき、単独運転へ移行したときに、その変動に起因して生じる周波数等の変化により検出する装置 |
受動的方式は「単独運転になって初めて起きる変化」を見て、能動的方式は「あらかじめ出力に与えた変動が、単独運転で現れる変化」を見る、というのが条文上の違いです。 同じ条には、スポットネットワーク受電方式(第十二号)と二次励磁制御巻線形誘導発電機(第十三号)の定義もあります。
地域独立系統に関する用語
地域独立系統は、災害等による長期停電時に、隣接する事業者の電力系統から切り離した電力系統です。その系統に連系している発電設備等と、主電源設備・従属電源設備で電気を供給して運用されるものを指します。
| 用語 | 定義の要点 |
|---|---|
| 地域独立系統運用者(第十五号) | 地域独立系統の電気の需給の調整を行う者 |
| 主電源設備(第十六号) | 地域独立系統の電圧・周波数を維持する目的で、地域独立系統運用者が運用する発電設備または電力貯蔵装置 |
| 従属電源設備(第十七号) | 主電源設備の電気の供給を補う目的で、地域独立系統運用者が運用する発電設備または電力貯蔵装置 |
| 地域独立運転(第十八号) | 主電源設備のみ、または主電源設備と従属電源設備が地域独立系統の電源となり、その系統にのみ電気を供給している状態 |
自立運転は「分散型電源が設置者の構内負荷にのみ供給する」状態で、地域独立運転は「地域独立系統の電源が、その系統にのみ供給する」状態です。 供給先が構内か、地域独立系統かの違いがあります。
この整理で言えないこと
- 個別の設備が分散型電源にあたるか、どの保護装置が必要かは判定しません。
- 電力会社との連系協議の内容や、機器の認証の有無は扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第220条)です。
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次に知りたいこと:低圧連系の保護装置と3極遮断器(解釈第226条・第227条)、逆変換装置の直流流出防止変圧器(解釈第221条)、太陽光・蓄電池の系統連系申込と電気工事業者の役割