電気設備の技術基準の解釈 第185条
放電灯は対地電圧150V以下が原則(解釈第185条)
管灯回路の使用電圧が1,000V以下の放電灯(ネオン放電管を除く)に電気を供給する電路の対地電圧は、150V以下が原則です。住宅以外の場所で接触防護措置と安定器の直接接続を満たせば、300V以下まで認められます。
公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
第185条が扱う放電灯(蛍光灯など)と項の構成
第185条は、ネオン放電管を使わない放電灯を、管灯回路の使用電圧が1,000V以下か超かで分けて定めています。管灯回路とは、放電灯用安定器(点灯させるための部品)から放電管に電気を送る回路のことです。 ネオン放電管を使う場合は、次条の第186条で別に定められています。
| 項 | 対象 | 定める内容 |
|---|---|---|
| 第1項 | 管灯回路の使用電圧が1,000V以下 | 対地電圧、安定器の取付け、変圧器、接地工事、防湿装置 |
| 第2項 | 使用電圧が300V以下の管灯回路の配線 | 電線の種類、第156条から第165条などに準じた工事 |
| 第3項 | 使用電圧が300V超1,000V以下の管灯回路の配線 | がいし引き・合成樹脂管・金属管などの工事方法ごとの条件 |
| 第4項 | 管灯回路の使用電圧が1,000V超 | 高圧にすること、変圧器、開閉器、屋内外の施設条件 |
| 第5項 | 管灯回路の使用電圧が300V超 | 施設できない場所(省令第70条、解釈第175条から第178条) |
対地電圧は150V以下、住宅以外は300V以下(第1項第一号)
放電灯に電気を供給する電路の対地電圧は、150V以下にします。ただし住宅以外の場所で、次の2つを満たして施設する場合は300V以下にできます。
- 放電灯とこれに付属する電線に、接触防護措置を施す。
- 放電灯用安定器(放電灯用変圧器を含む)を、配線と直接接続して施設する。
対地電圧とは、電線と大地との間の電圧のことです。 100V・200V回路の電圧の区分は低圧・高圧・特別高圧の電圧区分で整理しています。
安定器の取付けと変圧器、防湿装置(第二号から第四号・第六号)
放電灯用安定器は、放電灯用電灯器具に収める場合を除き、堅ろうな耐火性の外箱に収めたものを使います。外箱は造営材から1cm以上離して堅ろうに取り付け、容易に点検できるように施設します。
- 第二号: 器具に収める場合を除き、耐火性の外箱入りの安定器を使い、外箱を造営材から1cm以上離して取り付ける。
- 第三号: 管灯回路の使用電圧が300Vを超える場合は、放電灯用変圧器を使用する。
- 第四号: その放電灯用変圧器は絶縁変圧器にする。ただし、放電管を取り外したときに1次側電路が自動的に遮断される施設であれば、この限りではない。
- 第六号: 湿気の多い場所や水気のある場所に施設する放電灯には、適当な防湿装置を施す。
安定器の外箱・器具の接地工事(185-1表)
安定器の外箱と放電灯用電灯器具の金属製部分には、管灯回路の使用電圧の区分に応じた接地工事を施します。区分は185-1表で、2次短絡電流または動作電流が1Aを超える場合の高圧はA種、300Vを超える低圧はC種、それ以外はD種です。
| 管灯回路の使用電圧の区分 | 変圧器の2次短絡電流または管灯回路の動作電流 | 接地工事 |
|---|---|---|
| 高圧 | 1Aを超える場合 | A種接地工事 |
| 300Vを超える低圧 | 1Aを超える場合 | C種接地工事 |
| 上記以外の場合 | - | D種接地工事 |
次のいずれかに該当する場合は、この接地工事を省略できます。
- イ: 管灯回路の対地電圧が150V以下の放電灯を、乾燥した場所に施設する。
- ロ: 管灯回路の使用電圧が300V以下の放電灯を乾燥した場所に施設し、簡易接触防護措置(金属製で、防護する設備と電気的に接続するおそれのある方法を除く)を施したうえで、安定器の外箱と器具の金属製部分が金属製の造営材と電気的に接続しないようにする。
- ハ: 使用電圧が300V以下、または2次短絡電流か動作電流が50mA以下の放電灯で、安定器を外箱に収め、その外箱と器具とを電気的に接続しない。
- ニ: 乾燥した場所の木製ショウウィンドーやショウケース内に施設し、安定器の外箱とこれに電気的に接続する金属製部分に簡易接触防護措置を施す。
接地工事の種類ごとの違いは接地工事A〜D種で整理しています。
300V以下の管灯回路の配線(第2項)
使用電圧が300V以下の管灯回路の配線には、けい光灯電線、直径1.6mmの軟銅線と同等以上の絶縁電線、キャブタイヤケーブル、ケーブルのいずれかを使います。絶縁電線のうち、屋外用ビニル絶縁電線・引込用ビニル絶縁電線・引込用ポリエチレン絶縁電線は除かれます。
工事の方法は、第156条から第165条まで(第164条第3項を除く)、第167条、第172条第1項に準じて施設します。 屋内配線の工事ごとの決まりは屋内配線の工事方法を参照してください。
300V超1,000V以下の配線方法(第3項)
使用電圧が300Vを超え1,000V以下の管灯回路の配線は、がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属線ぴ、ケーブルの6つの工事のいずれかで施設します。いずれの場合も、低圧配線との接近・交差を定めた第167条を準用します。このほか、ショウウィンドー内とエスカレーター内の配線に限った方法も定められています。
| 工事方法 | 主な条件 |
|---|---|
| がいし引き工事(第一号) | 展開した場所か点検できる隠ぺい場所に施設。電線はけい光灯電線(展開した場所で600V以下なら1.6mm軟銅線同等以上の絶縁電線も可)。造営材の表面に沿う場合の支持点間は、600V以下で2m以下、600V超で1m以下。電線には簡易接触防護措置を施す |
| 合成樹脂管工事(第二号) | 電線の種類はがいし引き工事に準じる。第158条に準じて施設。金属製のプルボックスなどに接続する場合は、そのプルボックスなどにD種接地工事 |
| 金属管工事(第三号) | 第159条に準じて施設。金属管にD種接地工事(長さ4m以下を乾燥した場所に施設し簡易接触防護措置を施す場合は省略可) |
| 金属可とう電線管工事(第四号) | 第160条に準じて施設。1種金属製可とう電線管には直径1.6mmの裸軟銅線を全長に挿入または添加。可とう電線管にD種接地工事(長さ4m以下で簡易接触防護措置を施す場合は省略可) |
| 金属線ぴ工事(第五号) | 展開した場所か点検できる隠ぺい場所で、かつ乾燥した場所に施設。第161条に準じて施設。金属線ぴにD種接地工事(長さ4m以下で簡易接触防護措置を施す場合は省略可) |
| ケーブル工事(第六号) | 第164条に準じて施設。防護装置の金属製部分、金属製の電線接続箱、電線の被覆に使う金属体にD種接地工事(長さ4m以下を乾燥した場所に施設し簡易接触防護措置を施す場合は省略可) |
ショウウィンドー・ショウケース内とエスカレーター内の配線には、乾燥した場所に限った専用の施設方法があります。 ショウウィンドー・ショウケースの方法は、内部を乾燥した状態で使い、配線を外部から見えやすい箇所で造営材に接触して施設する場合だけに当てはまります。 この場合は、けい光灯電線を使い、安定器やソケットの口出し線との接続点以外に接続点を設けません。
エスカレーター内は、点検できる隠ぺい場所に限り、電線ごとに別個の軟質ビニルチューブに収めて施設します。
1,000V超の放電灯と施設できない場所(第4項・第5項)
管灯回路の使用電圧が1,000Vを超える放電灯は、屋内の機械器具の内部に安全に施設する場合を除き、使用電圧を高圧にします。放電灯用変圧器は、黄銅製の接地端子を設けた金属製の外箱に収めた絶縁変圧器とし、放電灯に電気を供給する電路には専用の開閉器と過電流遮断器を施設します。
- 屋内に施設する場合: 第1項第一号に準じ、放電管に接触防護措置を施す。
- 屋側または屋外に施設する場合: 供給電路の使用電圧は低圧または高圧とし、放電管は金属製の堅ろうな器具に収める。器具は地表上4.5m以上の高さに施設し、他の工作物(架空電線を除く)や植物との離隔距離は0.6m以上にする。
- 屋側または屋外の放電灯には、適当な防水装置を施す。
管灯回路の使用電圧が300Vを超える放電灯は、省令第70条と解釈第175条から第178条までに規定する場所に施設できません。 粉じんの多い場所や可燃性ガスのある場所などが対象で、該当するかどうかは各条の本文で確認します。 関連する条文は、粉じんの多い場所の施設(解釈第175条)と可燃性ガスのある場所の施設(解釈第176条)で整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の照明設備が、対地電圧の例外(300V以下)の条件や接地工事の省略条件を満たすかどうかは判定しません。
- 第185条が準用する第156条から第165条、第167条、第172条、第111条、第120条から第125条などの本文は、数値を含めて条文で確認する必要があります。
- 第3項の工事方法ごとの条件は、主なものだけを表にしています。細目は条文で確認してください。
- 放電灯(蛍光灯)の取替えや器具の設置に電気工事士の資格が要るかどうかは、電気工事士法で決まり、第185条では決まりません。
- LED照明の施設は、第185条とは別の整理が必要になる場合があり、本記事では扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第185条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。