電気設備の技術基準の解釈 第199条
電気防食施設の施設条件(解釈第199条)
電気防食回路の使用電圧は、直流60V以下です。陽極は地中に0.75m以上の深さで埋設するか、水中の人が容易に触れるおそれがない場所に施設します。
公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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電気防食施設とは
電気防食施設は、金属体の腐食を防ぐために、陽極と被防食体の間に電気防食用電源装置から防食電流を通じる施設です。被防食体とは、地中や水中に施設される金属体、または地中・水中以外の場所に施設する機械器具の金属製部分のことです。
| 用語 | 条文での意味 |
|---|---|
| 被防食体 | 腐食を防止する対象の金属体や機械器具の金属製部分 |
| 陽極 | 地中または水中に施設する電極 |
| 電気防食回路 | 電気防食用電源装置から陽極および被防食体までの電路 |
同じ地中や水中の電極を扱う条文として、電気浴器(第198条)の記事があります。
電気防食回路の電圧と電線(第1項第一号)
使用電圧は直流60V以下で、地中に施設する電線は直径2mmの軟銅線またはこれと同等以上の強さ・太さのものです。地中の電線は、600Vビニル絶縁電線、クロロプレン外装ケーブル、ビニル外装ケーブル、ポリエチレン外装ケーブルのいずれかとします。
| 部分 | 条件 |
|---|---|
| 使用電圧 | 直流60V以下 |
| 地中の電線の太さ | 直径2mmの軟銅線またはこれと同等以上の強さ・太さ。陽極に附属する電線は、直径1.6mmの軟銅線またはこれと同等以上でもよい |
| 地中の電線の種類 | 600Vビニル絶縁電線、クロロプレン外装ケーブル、ビニル外装ケーブル、ポリエチレン外装ケーブル |
| 直接埋設式の埋設深さ | 車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがある場所は1.2m以上、その他の場所は0.3m以上。電線の上部と側部を石、コンクリート等の板またはといで覆う |
| 埋設深さの例外 | 重量物の圧力を受けるおそれがない場所で、埋設深さ0.6m以上とし、電線の上部を堅ろうな板またはといで覆う場合 |
| 地上の立上り部分 | 地表上2.5m未満の部分に、人が触れるおそれがなく、損傷を受けるおそれがないように適当な防護装置を設ける |
直接埋設式でも、電線を被防食体の下面に密着して施設する場合は、埋設深さと、板やといで覆う規定が適用されません。 地中の立上り部分のうち深さ0.6m未満の部分にも、適当な防護装置が必要です。 架空で施設する部分と水中に施設する部分の条件は、条文で確認してください。
陽極と電位差(第1項第二号・第三号)
陽極を地中に埋設する場合の深さは0.75m以上で、地表または水中で1mの間隔を有する任意の2点間の電位差は5Vを超えてはいけません。水中に陽極を施設するときは、人が容易に触れるおそれがない場所を選びます。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 地中の陽極 | 周囲に導電物質を詰める場合はこれを含め、埋設の深さを0.75m以上にする |
| 水中の陽極(イ) | 陽極とその周囲1m以内にある任意点との電位差を10V以下にする |
| 水中の陽極(ロ) | 陽極の周囲に人が触れるのを防ぐ適当なさくを設け、危険である旨を表示する |
| 地表・水中の電位差 | 1mの間隔を有する任意の2点間の電位差は5V以下。水中の陽極の周囲1m以内の点と、さくの内部の点は除く |
水中の陽極は、イとロのどちらかに適合するように施設します。 どちらを選ぶかは設備の状況によるため、条文で確認してください。
電気防食用電源装置(第1項第四号)
電源装置は、堅ろうな金属製の外箱に収めてD種接地工事を施し、変圧器は絶縁変圧器とします。1次側電路の使用電圧は低圧で、各極に開閉器と過電流遮断器を設けます。
| 号 | 条件 |
|---|---|
| イ | 堅ろうな金属製の外箱に収め、これにD種接地工事を施す |
| ロ | 変圧器は絶縁変圧器で、交流1,000Vの試験電圧を1の巻線と他の巻線、鉄心、外箱との間に連続して1分間加えたとき、これに耐える性能を有する |
| ハ | 1次側電路の使用電圧は、低圧である |
| ニ | 1次側電路の各極に、開閉器と過電流遮断器を設ける(過電流遮断器は多線式電路の中性極を除く)。過電流遮断器が開閉機能を有する場合は、過電流遮断器のみでよい |
D種接地工事の内容は接地工事のA種・B種・C種・D種の記事で整理しています。
他の工作物への電食の防止(第2項)
電気防食施設によって他の工作物に電食作用による障害を及ぼすおそれがある場合は、防止の措置が必要です。条文の例は、その工作物と被防食体とを電気的に接続することです。電食とは、電流によって金属が腐食する現象のことです。
この整理で言えないこと
- 個別の設備に電気防食が必要か、方式が適切かは判定しません。
- 架空部分の第67条などの準用内容と、水中の電線の条件は、この記事に詳しく書いていません。
- 電気設備の設計や施工の適否は判定しません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第199条)です。
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次に知りたいこと:電気浴器の電源装置(解釈第198条)、水中照明灯の絶縁変圧器(解釈第187条)、接地工事のA種・B種・C種・D種