電気設備の技術基準の解釈 第174条
高圧接触電線の施設条件(解釈第174条)
高圧接触電線は、展開した場所または点検できる隠ぺい場所に、がいし引き工事で施設します。電線の支持点間隔は6m以下です。 電線は、引張強さ2.78kN以上のもの、または直径10mm以上の硬銅線で断面積70mm2以上のたわみ難いものを使います。
公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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高圧接触電線と第174条の範囲
第174条の対象は、電車線を除く高圧の接触電線です。接触電線とは、クレーンなどの移動する機械に、集電装置を接触させて電気を供給する電線のことです。 低圧の接触電線は第173条、電車線は別の条文で扱われます。
| 項 | 内容 |
|---|---|
| 第1項 | 電線の工事方法・太さ・支持点間隔・離隔距離など(第一号から第九号) |
| 第2項 | 他の電線、弱電流電線等、水管、ガス管などとの離隔距離 |
| 第3項 | 電気を供給する電路の開閉器・過電流遮断器・地絡遮断装置 |
| 第4項 | 接触電線から電気を受ける機械器具の接地工事 |
| 第5項・第6項 | 施設できない場所、特別高圧の接触電線の禁止 |
低圧の場合は低圧接触電線(第173条)の記事、 遊戯用電車の第三軌条は遊戯用電車(第189条)の記事にあります。
電線の施設方法(第1項)
工事方法はがいし引き工事に限られ、電線は人が触れるおそれがないように施設します。低圧接触電線のようにバスダクト工事や絶縁トロリー工事は選べません。
| 号 | 項目 | 条件 |
|---|---|---|
| 第一号 | 工事の方法と場所 | 展開した場所または点検できる隠ぺい場所に、がいし引き工事で施設する |
| 第二号 | 人の接触 | 人が触れるおそれがないように施設する |
| 第三号 | 電線の種類と太さ | 引張強さ2.78kN以上のもの、または直径10mm以上の硬銅線で、断面積70mm2以上のたわみ難いもの |
| 第四号 | 固定 | 各支持点で堅ろうに固定し、集電装置の移動により揺動しないように施設する |
| 第五号 | 支持点間隔 | 6m以下 |
| 第六号 | 電線相互・集電装置の離隔 | 電線相互の間隔、集電装置の充電部分相互、集電装置の充電部分と極性の異なる電線との離隔距離は30cm以上。絶縁性・難燃性の堅ろうな隔壁を設ければ適用されない |
| 第七号 | 造営材との離隔 | 電線と造営材、集電装置の充電部分と造営材の離隔距離は20cm以上。絶縁性・難燃性のある堅ろうな隔壁を設ければ適用されない |
| 第八号 | がいし | 絶縁性、難燃性、耐水性のあるもの |
| 第九号 | 無線設備への影響 | 集電装置の移動により、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を及ぼすおそれがないように施設する |
第三号の「引張強さ2.78kN以上のもの」と「直径10mm以上の硬銅線で断面積70mm2以上」は、どちらかを満たす電線を使う、という並びです。 がいし引き工事の一般的な条件は高圧屋内配線(第168条)の記事で整理しています。
他の電線・水管などとの離隔距離(第2項)
高圧接触電線と他の電線・弱電流電線等との離隔は、堅ろうな隔壁があれば30cm以上、なければ60cm以上です。この距離は、接触電線に接触する集電装置の充電部分についても同じように求められます。
| 条件 | 離隔距離 |
|---|---|
| 絶縁性・難燃性の堅ろうな隔壁を設ける場合(他の電線・弱電流電線等との間) | 30cm以上 |
| 上記以外の場合 | 60cm以上 |
第2項の相手は、他の電線、弱電流電線等、水管、ガス管、またはこれらに類するものです。 隔壁による30cmの緩和が条文上書かれているのは、他の電線・弱電流電線等の場合です。 水管やガス管などとの間は、第二号の「前号以外の場合」に当たるため、60cm以上と読めます。
給電する電路の遮断装置(第3項)
接触電線に電気を供給する電路には、専用の過電流遮断器と開閉の手段、さらに地絡を生じたときに自動で電路を遮断する装置を設けます。地絡とは、電路が大地などに電気的につながってしまう事故のことです。
| 号 | 条件 |
|---|---|
| 第一号イ | 開閉機能を有する専用の過電流遮断器を、各極に、接触電線に近い箇所で容易に開閉できるように施設する |
| 第一号ロ | 専用の開閉器を接触電線に近い箇所で容易に開閉できるように施設し、専用の過電流遮断器を各極(多線式電路の中性極を除く)に施設する |
| 第二号 | 地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する |
| 第二号ただし書 | 接触電線の電源側接続点から1km以内の電源側電路に専用の絶縁変圧器を施設し、地絡を技術員駐在所に警報する装置を設ける場合は、遮断装置を省ける |
第一号はイとロのいずれかを選ぶ形です。 第4項は、接触電線から電気を受ける機械器具に接地工事を施す場合、集電装置を使い、機械器具から接地極までの接地線を第1項第二号から第五号に準じて施設できる、と定めています。
施設できない場所と、この整理で言えないこと
高圧接触電線は、第175条から第177条に規定する場所には施設できません。粉じんの多い場所、可燃性ガス等のある場所、危険物を製造・貯蔵する場所です。特別高圧の接触電線は、電車線を除いて施設できません(第6項)。
- 個別の設備が高圧接触電線に当たるか、施設の適否は判定しません。
- 電線の引張強さや集電装置の仕様は、メーカーの資料や設計者に確認する必要があります。
- 電気設備の設計や施工の適否は判定しません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第174条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:低圧接触電線の施設(解釈第173条)、高圧屋内配線の施設(解釈第168条)、場所別の屋内配線工事の種類