電気設備の技術基準の解釈 第172条第3項・第4項
エレベータ用ケーブルを使える配線の条件(300V以下・昇降路内)
エレベータ用ケーブルは、エレベータやダムウェーターなどの昇降路内に施設する使用電圧300V以下の低圧屋内配線・低圧の移動電線などに使えます。通常の低圧ケーブルや移動電線の規定に代えて使える特例で、構造と完成品は日本電気技術規格委員会が承認した規格「エレベータ用ケーブル」に適合することが条件です。 解釈第172条第3項の内容と、第4項の船用ケーブルとの違いを整理します。
公開日: 2026-10-27 / 最終更新: 2026-10-27 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
エレベータ用ケーブルを使える配線
第172条第3項は、昇降路内の配線に限り、エレベータ用ケーブルを使うことを認める規定です。対象には低圧の移動電線も含まれ、通常のケーブルや移動電線の規定に代えて、専用の規格のケーブルを使える特例になっています。
使える配線の範囲と規格の条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設する場所 | エレベータ、ダムウェーター等の昇降路内 |
| 使える配線 | 低圧屋内配線、低圧の移動電線、これらに直接接続する低圧屋内配線 |
| 使用電圧 | 300V以下 |
| 第一号(構造) | 日本電気技術規格委員会が承認した規格「エレベータ用ケーブル」の「適用」の欄に規定する要件に適合する |
| 第二号(完成品) | 同じ規格「エレベータ用ケーブル」の「適用」の欄に規定する要件に適合する |
使用電圧が300Vを超える配線は、この項の対象ではありません。 規格の個別の数値(導体の太さや試験電圧など)は解釈の本文には書かれていないため、このページでは扱いません。
低圧ケーブル・移動電線の規定との関係
エレベータ用ケーブルは、解釈第9条の低圧ケーブルの規定と、第171条の移動電線の規定の、両方で例外として名前が挙がっています。
- 第9条(低圧ケーブル): 低圧の電線に使うケーブルの性能を定める条文で、第172条第3項によりエレベータ用ケーブルを使う場合は、この条文の性能によらなくてよいとされています。
- 第171条第1項第三号ハ(移動電線): 屋内に施設する使用電圧300V以下の移動電線の種類の規定について、第172条第3項によりエレベータ用ケーブルを使う場合は、第171条第1項第一号・第二号によらないことができるとされています。
移動電線の一般的な決まりは、低圧の移動電線に使えるコード・キャブタイヤケーブル(第171条)で整理しています。
第4項の船用ケーブルとの違い
同じ第172条の第4項には、水上・水中の作業船等で使う船用ケーブルの特例があり、対象の場所と電圧の区切りが異なります。
| 項目 | 第3項 エレベータ用ケーブル | 第4項 船用ケーブル |
|---|---|---|
| 場所 | エレベータ・ダムウェーター等の昇降路内 | 水上または水中における作業船等 |
| 配線 | 低圧屋内配線、低圧の移動電線など | 低圧屋内配線および低圧の管灯回路の配線のケーブル工事 |
| 電圧の条件 | 使用電圧300V以下 | ケーブルの公称電圧0.6kV |
| 規格 | 「エレベータ用ケーブル」 | 「船用電線」 |
この整理で言えないこと
- 個別のエレベータ設備に、どのケーブルを選ぶべきかは判定しません。
- エレベータ本体の設置・保守に関する他の法令(建築基準法など)は扱いません。
- 電気工事そのものの施工は、電気工事士法の資格が必要な場合があります。どの作業が資格の対象かは、各資格のガイドで確認してください。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の配線の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第172条、第9条、第171条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。