電気設備の技術基準の解釈 第133条
臨時電線路の使用期間2月・4月・6月ごとの緩和(解釈第133条)
臨時に使う電線路は、使用期間が短いときに限り、通常の施設基準の一部によらないことができます。期間の区切りは、2月以内、4月以内、6月以内の三つです。第133条の第1項から第9項を、期間ごとに整理します。
公開日: 2026-10-26 / 最終更新: 2026-10-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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期間ごとの緩和の一覧
第133条の緩和の多くは、使用期間が2月以内・4月以内・6月以内のいずれかに当たるときに使えます。緩和されるのは特定の条文の規定だけです。第6項と第9項は期間を定めず、民間規格の要件によります。
| 使用期間 | 項 | 対象 | よらなくてよい規定 |
|---|---|---|---|
| 6月以内 | 第1項 | 架空電線路の支持物の鉄塔 | 第59条第7項(支線を用いて強度を分担できる) |
| 6月以内 | 第2項 | 鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔の支線 | 第61条第1項第三号 |
| 6月以内 | 第3項 | 鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔の支線 | 第61条第1項第四号 |
| 2月以内 | 第4項 | ケーブルを使う低圧・高圧の架空電線 | 第67条 |
| 2月以内 | 第5項 | ケーブルを使う35kV以下等の特別高圧架空電線路 | 第86条 |
| 4月以内 | 第7項 | 300V以下の低圧引込線の屋側・屋上部分 | 第110条第2項第一号ニ(電線相互間等を離す) |
| 2月以内 | 第8項 | 地上に施設する低圧・高圧の電線路 | 第128条 |
6月以内:鉄塔・支線の緩和(第1項から第3項)
使用期間が6月以内の架空電線路の支持物については、鉄塔の強度を支線で分担させたり、支線の規定の一部を省いたりできます。
- 第1項:使用期間6月以内の鉄塔は、第59条第7項によらず、支線を用いて強度を分担させることができます。
- 第2項:鉄筋コンクリート柱・鉄柱・鉄塔の支線は、JIS G 3525のワイヤロープで公称径10mm以上とすれば、第61条第1項第三号によらないことができます。
- 第3項:同じ支線は、第61条第1項第四号によらないことができます。
2月以内:ケーブル・地上施設の緩和(第4項・第5項・第8項)
使用期間が2月以内であれば、ケーブルを使う架空電線は第67条(または第86条)によらず、地上の電線路は第128条によらずに施設できる場合があります。
第4項は、低圧架空電線または高圧架空電線にケーブルを使うときの緩和で、第67条の規定によらないことができます。 第5項は、35kV以下の特別高圧架空電線路または災害後の復旧に用いる特別高圧架空電線路の電線にケーブルを使うときの緩和で、第86条の規定によらないことができます。
第8項は、地上に施設する低圧・高圧の電線路(災害後の復旧に用いる特別高圧電線路を含む)の緩和です。第128条は、地上に施設する電線路を一定の場合に限って認める条文で、使用期間が2月以内のものは、次の三つを満たせばそれによらないことができます。
- 電線は、低圧ならケーブルか、断面積8mm²以上の指定されたキャブタイヤケーブル(3種クロロプレン・3種クロロスルホン化ポリエチレン・3種耐燃性エチレンゴム・4種クロロプレン・4種クロロスルホン化ポリエチレン)
- 電線を施設する場所に、取扱者以外が容易に立ち入らないようにさく・へい等を設け、危険である旨を人が見やすい間隔で表示する
- 電線は、重量物の圧力や著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設する
高圧の場合はケーブルまたは高圧用のキャブタイヤケーブル、特別高圧の場合はケーブルが条件です。
4月以内:低圧引込線の屋側・屋上部分(第7項)
使用電圧300V以下の低圧引込線の屋側部分または屋上部分で、使用期間が4月以内のものは、条件を満たせば電線相互間や造営材との間を離さずに施設できます。対象は、雨露にさらされない場所に、がいし引き工事で施設するものです。
例外になる規定は、第116条第2項が準用する第110条第2項第一号ニです。 仮設の配線工事の期間と条件は仮設配線のがいし引き工事の記事で整理しています。
期間を定めない緩和(第6項・第9項)
第6項と第9項は、使用期間の数字ではなく、日本電気技術規格委員会が承認した民間規格の要件を満たすことを条件にしています。
- 第6項:低圧・高圧・35,000V以下の特別高圧の架空電線を、規格「臨時電線路に適用する防護具及び離隔距離」の要件により施設する場合、造営物との離隔距離は第71条、第78条、第106条によらないことができます。
- 第9項:地上に施設する使用電圧35,000V以下の特別高圧電線路を、規格「35kV以下の特別高圧地上電線路の臨時施設」の方法により施設する場合、第128条によらないことができます。
この整理で言えないこと
- 個別の工事現場の電線路が「臨時」に当たるか、使用期間の数え方、緩和を使ってよいかは判定しません。
- この記事は条文の骨子の整理で、各項の細かな条件(準用される条文の内容を含む)は網羅していません。原文で確認してください。
- 民間規格(第6項・第9項)の要件の中身は、この記事では扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の臨時電線路の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第133条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:仮設配線のがいし引き工事(4月・1年)、仮設電気工事と資格・登録、省令と解釈の違い