電気設備の技術基準の解釈 第117条

高圧架空引込線の電線と高さ・3.5mの特例(解釈第117条)

高圧架空引込線の電線は、引張強さ8.01kN以上または直径5mm以上の硬銅線を使う高圧絶縁電線などか、ケーブルです。第117条から、電線の種類、がいし引き工事とケーブルの扱い、高さ(地表上3.5mの特例)、屋側部分・屋上部分の扱いを整理します。

公開日: 2026-10-26 / 最終更新: 2026-10-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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電線の種類(3つのうちのどれか)

高圧架空引込線の電線は、第117条第1項第一号のイ・ロ・ハのいずれかのものです。絶縁電線を使う場合は、強さか太さの条件が付きます。

高圧架空引込線に使える電線(第117条第1項第一号)
区分電線
イ引張強さ8.01kN以上のもの、または直径5mm以上の硬銅線を使う、高圧絶縁電線または特別高圧絶縁電線
ロ引下げ用高圧絶縁電線
ハケーブル

8.01kNと5mmはどちらか一方を満たせばよい書き方です。 どの電線を選べるかは、このあとの施設方法(がいし引き工事かケーブルか)とセットで決まります。

絶縁電線とケーブルの施設方法

電線が絶縁電線なら、がいし引き工事で施設します。ケーブルなら、第67条に準じて施設します。第二号と第三号が、電線の種類ごとの施設方法を分けています。

電線の種類ごとの施設方法(第117条第1項第二号・第三号)
電線施設方法
絶縁電線がいし引き工事により施設する
ケーブル第67条の規定に準じて施設する

がいし引き工事は、室内配線でも使われる工事方法です。 室内の場合の間隔や支持点の考え方はがいし引き工事(低圧屋内配線)の記事にありますが、第117条は屋外の引込線の定めで、そこで示した値をそのまま使えるわけではありません。

電線の高さと地表上3.5mの特例

電線の高さは、原則として第68条第1項に準じます。ただし、道路・鉄道または軌道・横断歩道橋の上を除き、条件を満たすときは地表上3.5m以上にできます。第四号の本文とただし書きの関係です。

つまり、道路などを横断しない引込みで、ケーブル以外の電線を使って特例を使うなら「下方への危険表示」が要ります。 ケーブルなら、この表示の条件は付きません。

工作物・植物との接近と交差

電線が工作物や植物と接近または交差する場合は、高圧架空電線に係る第71条から第79条までの規定に準じて施設します。第五号の定めです。

ただし書きに、引き込み先の建物との離隔距離の緩和があります。 危険のおそれがない場合に限り、第71条第1項第二号と第78条第1項によらないことができます。 緩和されるのは引き込み先の建物との離隔距離だけで、隣の建物や他の工作物には及びません。

屋側部分・屋上部分の扱い

高圧引込線の屋側部分または屋上部分は、第111条第2項から第5項までの規定に準じて施設します。第117条第2項の定めです。

第111条は高圧屋側電線路の条文で、電線はケーブルに限られ、支持点間は2m以下(垂直は6m以下)です。 詳しくは高圧屋側電線路の記事(第111条)にまとめています。

第111条は括弧書きで高圧引込線の屋側部分を除いています。 そのため屋側部分は、第117条第2項を通じて第111条第2項から第5項に準じる関係です。

低圧架空引込線との違い

低圧架空引込線は第116条、高圧架空引込線は第117条で、電線の条件、高さの定め方、連接引込線の扱いが異なります。低圧側の内容は低圧架空引込線の高さと電線の記事で整理しています。

電圧の区分は低圧・高圧・特別高圧の電圧区分で確認できます。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の引込線の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者、電力会社などの専門家・事業者に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第117条)です。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいこと:屋側電線路に隣接する1径間の架空電線(第119条)、屋上電線路の施設方法、省令と解釈の違い

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