公式資料をもとに整理
共同企業体(JV)4方式の違いと出資比率
共同企業体(JV)は、複数の建設企業が一つの工事を受注・施工するために形成する事業組織体で、4方式があります。国土交通省は特定JV・経常JV・地域維持型JV・復旧・復興JVに分けています。方式ごとの目的、構成員の数、出資比率の最低基準、建設業許可との関係を、国土交通省の運用準則などから整理します。
公共工事で共同企業体として入札に参加する前提になる資格審査は公共工事の入札参加資格(競争参加資格審査)と経営事項審査の関係で整理しています。
公開日: 2026-10-26 / 最終更新: 2026-10-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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共同企業体の4つの方式
国土交通省は、共同企業体を「複数の建設企業が、一つの建設工事を受注、施工することを目的として形成する事業組織体」と説明し、結成の目的が異なる4つの方式を示しています。1社で受注する通常の場合とは別の仕組みです。
| 方式 | 結成の目的 |
|---|---|
| 特定建設工事共同企業体(特定JV) | 大規模かつ技術難度の高い工事で技術力などを結集し、安定的な施工を確保する。工事ごとに結成する |
| 経常建設共同企業体(経常JV) | 中小・中堅建設企業が継続的な協業関係を確保し、経営力・施工力を強化する。発注機関の入札参加資格審査申請時(原則年度当初)に結成し、一定期間、有資格業者として登録される |
| 地域維持型建設共同企業体(地域維持型JV) | 地域の維持管理に不可欠な事業について、継続的な協業関係で実施体制の安定確保を図る。申請時または随時に結成する |
| 復旧・復興建設工事共同企業体(復旧・復興JV) | 大規模災害からの復旧・復興のため、被災地域の地元の建設企業の施工力を強化する。申請時または随時に結成する |
出典は国土交通省の共同企業体制度(JV)のページです。同ページには、ほかに標準協定書(甲型・乙型)や、令和7年2月1日付の地域維持型JVと復旧・復興JVの取扱いに関する通達が掲載されています。
特定JVと経常JVの構成員・出資比率
運用準則は、構成員を特定JVで2〜3社、経常JVで2〜3社程度とし、出資比率の最低基準を2社なら30%以上、3社なら20%以上としています。準則は、発注機関が運用基準を定めるときに準拠すべき基準を示すもので、事業者に直接義務を課す法律ではありません。
| 確認する点 | 特定JV | 経常JV |
|---|---|---|
| 対象工事 | 高速道路・橋梁・トンネル・ダム・空港・港湾・下水道などの大規模な土木構造物、大規模建築、大規模設備などの工事(典型工事)や、共同企業体による施工が必要と認められる一定規模以上の工事 | 単体企業の場合に準じて扱う。技術者を適正に配置できる規模を確保する |
| 構成員の数 | 2〜3社 | 2〜3社程度 |
| 等級の組合せ | 最上位等級のみ、または最上位等級と第二位等級の者の組合せ | 同一等級または直近等級の者の組合せ |
| 結成方法 | 自主結成 | 単体企業と同様に、入札参加資格審査申請時に結成 |
| 出資比率の最低基準 | 2社の場合30%以上、3社の場合20%以上(準則の基準。具体的な基準は発注機関が定める) | 同左 |
特定JVの構成員は、少なくとも次の三つの要件を満たす者とされています。
- 工事に対応する許可業種の営業年数が、少なくとも数年あること
- 工事を構成する一部の工種を含む工事について元請として一定の実績があり、同種の工事を施工した経験があること
- 全ての構成員が、工事に対応する許可業種に係る監理技術者、または国家資格を有する主任技術者を、工事現場に専任で配置できること
代表者は施工能力の大きい者とし、出資比率は構成員の中で最大にします。
経常JVでも営業年数と元請の実績が要件になりますが、実績は「登録部門について元請として一定の実績を有することを原則とする」と書かれています。 資料は共同企業体運用準則(昭和62年建設省中建審発第12号、平成10年改正)です。技術者の専任配置の考え方は建設業許可の現場技術者の配置で整理しています。
地域維持型JVの対象工事と構成員数
地域維持型JVの対象は、災害応急対応・除雪・修繕・パトロールなど社会資本の維持管理に必要な工事で、新設・改築は含みません。通達「地域維持型建設共同企業体の取扱いについて」は、構成員数の上限を当面10社程度としています。
- 構成員の組合せは、発注工事に対応する工事種別の建設業許可を持つ企業(有資格企業)から作る
- 構成員の数は、地域や対象工事の実情に応じて発注者が定め、円滑な共同施工ができる規模にとどめる
- 単体で発注すれば役務になる除雪やパトロールも、工事と一体として発注する場合は対象に含めて扱える
出典は地域維持型建設共同企業体の取扱いについて(国土交通省)です。電気工事の維持管理が対象になるかどうかは発注者ごとの募集要件で決まるため、個別の公告で確認してください。
建設業許可は誰が持つのか
国土交通省の比較表では、建設業の許可は共同企業体としては不要で、各構成員には必要とされています。共同企業体そのものは許可の対象にならず、電気工事業の許可を持つ会社が構成員として参加する形です。 許可の種類(一般・特定)と下請に出せる金額の違いは電気工事業の一般建設業許可と特定建設業許可の違いで確認できます。
出典は国土交通省の協業の形態の比較表です。国土交通省の「共同企業体の在り方について」は、復旧・復興JVの構成員となる各企業の施工能力を、経営事項審査の点数・等級・工事実績などを参考に発注機関が判断するとしています。 経営事項審査の仕組みは公共工事の経営事項審査(対象・受審時期・申請先)で整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 共同企業体の結成要件、構成員の数、出資比率の基準、必要書類は、運用準則を踏まえて発注機関ごとに定められます。参加を考える入札の公告や要領、発注機関の契約担当窓口で最新の内容を確認してください。
落札後の前払金と履行保証は公共工事の前払金と履行保証の記事で確認できます。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。