公式資料をもとに整理

照明・空調工事の前に確認する省エネ適合性判定の対象

省エネ適合性判定を受ける義務を負うのは、建築主です。照明や空調の工事を請け負う電気工事業者が申請者になるのではなく、工事に着手する前に判定が済んでいるかを、発注者や元請に確かめる立場になります。建築物省エネ法の条文から、判定の対象、照明・空調が計画の中でどう扱われるか、電気工事業者が確かめる点を整理します。

公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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判定を受けるのは建築主

建築物省エネ法第10条は、建築主に、建築物の建築をしようとするときは、その建築物を省エネ基準に適合させる義務を課しています。エネルギー消費性能に及ぼす影響が少ない規模は対象外で、施行令第3条はその規模を床面積の合計10平方メートルとしています。

第11条第1項は、このうち建築基準法第6条第1項の確認を要する建築について、建築主が、工事に着手する前に、建築物エネルギー消費性能確保計画を提出して所管行政庁の適合性判定を受けるよう定めています。ただし、判定を行うことが比較的容易なものとして国土交通省令で定める建築は除かれます。

同法の「建築主」は、建築物に関する工事の請負契約の注文者、または請負契約によらないで自ら工事をする者です(第2条第1項第4号)。電気工事業者は、設備工事を請け負う側なので、通常は注文者である建築主ではありません。

対象となる建築物の範囲、10平方メートルを超えるかどうかの数え方、適用除外の用途は、省エネ適判デスクの省エネ適合性判定の対象となる建築物で整理されています。

照明・空調は省エネ性能の対象設備

省エネ基準は、建築物が備えるべきエネルギー消費性能を確保するための構造と設備の基準です(第2条第1項第3号)。消費性能の算定に含まれる設備は、施行令第1条が次のとおり定めています。

施行令第1条が定める建築設備
号設備電気工事業者の工事との関係
1空気調和設備その他の機械換気設備空調機器や換気設備の電源・制御の配線工事
2照明設備照明器具の取付けと配線、点灯制御の工事
3給湯設備電気給湯機器の電源工事
4昇降機エレベーターなどの電源・制御の配線工事

右端の列は、工事の種類を例示したものです。個々の機器がどの区分の基準に当たるかは、条文では示されていないため、この記事では判定しません。

工事の着手前に判定を受ける

判定は、建築主が工事に着手する前に受けます(第11条第1項)。所管行政庁は、計画の提出を受けた日から14日以内に結果の通知書を交付します。合理的な理由があるときは、28日の範囲内で期間を延長できます(同条第3項・第4項)。

照明や空調の機器を、判定を受けた計画と違う仕様に変える場合は、それが軽微な変更にあたるかを建築主や設計者が確かめる必要があります。軽微な変更の範囲は省令で定められていて、この記事では読んでいません。

電気工事業者が確かめる4点

条文に基づいて、請負の前後に確かめておく点を挙げます。判定を受けるのは建築主なので、電気工事業者は、次の点を発注者や元請に尋ねる立場です。

  1. 工事の対象が建築物の建築(新築・増築・改築)か。設備の入れ替えだけの工事が同法の「建築」に当たるかは、この記事では判定しません。所管行政庁に確認してください。
  2. 建築基準法の確認が必要な建築で、工事の着手前に適合判定通知書が交付されているか。
  3. 図面の照明・空調の仕様は、判定を受けた計画の内容か。
  4. 仕様の変更を求められたとき、判定の再取得が必要な変更かを、建築主や設計者が確認しているか。

電気工事をする資格や、電気工事業の登録・通知の要否は、建築物省エネ法とは別の制度です。自社がどの区分に当たるかは電気工事業区分セルフチェックで目安を確かめられます。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の建築が対象かどうかは、所管行政庁(建築主事を置く市町村は市町村長、その他は都道府県知事)や登録判定機関に確認してください。条文はe-Gov法令検索「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」、同法施行令です。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。