電気設備の技術基準の解釈 第110条
低圧屋側電線路の施設条件と5種類の工事(第110条)
低圧屋側電線路は、1構内等に施設する電線路の全部または一部として施設する場合などに限って施設でき、工事はがいし引き・合成樹脂管・金属管・バスダクト・ケーブルの5種類から選びます。これは第110条の定めです。 技術基準の解釈第110条から、施設できる場合、5種類の工事、がいし引きの間隔と離隔を整理します。
公開日: 2026-10-26 / 最終更新: 2026-10-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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低圧屋側電線路を施設できる場合
低圧屋側電線路は、第110条第1項の二つの場合のどちらかに当たるときに限り、施設できます。引込線と連接引込線の屋側部分は、この条の対象から除かれています。
| 号 | 場合 |
|---|---|
| 第一号 | 1構内等に施設する電線路の全部または一部として施設する場合 |
| 第二号 | 1構内等専用の電線路のうち、その構内等に施設する部分の全部または一部として施設する場合 |
「1構内等」とは、条文では1構内、同一基礎構造物とそこに構築された複数の建物、構造的に一体化した1つの建物を指します。 この範囲の外へ電線路を延ばす場合は、この条の二つの場合に当たるかを原文で確かめる必要があります。
選べる5種類の工事
低圧屋側電線路の工事は、第2項の第一号から第五号までのいずれかによります。工事ごとに、準じて施設する条文と、造営物についての条件が決まっています。
| 号 | 工事 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 第一号 | がいし引き工事 | 展開した場所に施設し、簡易接触防護措置を施す。第145条第1項に準じる |
| 第二号 | 合成樹脂管工事 | 第145条第2項および第158条に準じて施設する |
| 第三号 | 金属管工事 | 木造以外の造営物に施設し、第159条に準じて施設する |
| 第四号 | バスダクト工事 | 木造以外の造営物の展開した場所または点検できる隠ぺい場所に施設し、第163条に準じる。屋外用で、内部に水がたまらないものを使う |
| 第五号 | ケーブル工事 | 第145条第2項に準じて施設する。鉛被ケーブル・アルミ被ケーブル・MIケーブルは木造以外の造営物に限る |
金属管工事とバスダクト工事は、木造の造営物には使えません。 ケーブル工事は、造営材に沿わせる場合は第164条第1項に準じ、ちょう架用線にちょう架する場合は第67条(第一号ホ・第五号を除く)に準じ、電線が造営材に接触しないように施設します。
がいし引き工事の間隔と離隔距離
がいし引き工事の電線相互の間隔は、雨露にさらされない場所で6cm以上、雨露にさらされる300V超の場合は12cm以上です。110-2表が、施設場所と使用電圧の区分ごとに値を定めています。
| 施設場所 | 使用電圧 | 電線相互の間隔 | 電線と造営材との離隔距離 |
|---|---|---|---|
| 雨露にさらされない場所 | 区分なし | 6cm以上 | 2.5cm以上 |
| 雨露にさらされる場所 | 300V以下 | 6cm以上 | 2.5cm以上 |
| 雨露にさらされる場所 | 300V超過 | 12cm以上 | 4.5cm以上 |
- 電線の種類ごとの強さ・太さと、相互の間隔・離隔距離・支持点間の距離は110-1表にあります。表の読み違いを避けるため、この記事では110-1表の数値を転記しません。
- 引込用ビニル絶縁電線・引込用ポリエチレン絶縁電線を使う場合は、使用電圧を300V以下とし、電線を接続する場合は、それぞれの線心の接続点を5cm以上離します。
- 電線は、平時吹いている風等により植物に接触しないように施設します。
- がいしは、絶縁性、難燃性、耐水性のあるものとします。
他の工作物との離隔距離
低圧屋側電線路の電線が他の工作物に接近する場合や、その上下に施設される場合の離隔距離は、110-3表のとおり0.3m〜2mです。これはがいし引き工事(第一号)に置かれた定めです。
| 区分 | 低圧屋側電線路の電線の種類 | 離隔距離 |
|---|---|---|
| 上部造営材の上方 | 高圧絶縁電線または特別高圧絶縁電線 | 1m以上 |
| 上部造営材の上方 | その他 | 2m以上 |
| その他 | 高圧絶縁電線または特別高圧絶縁電線 | 0.3m以上 |
| その他 | その他 | 0.6m以上 |
対象の「他の工作物」には、その電線路を施設する造営材、架空電線、屋側に施設される高圧・特別高圧の電線、屋上電線は含まれません。 その電線路を施設する造営物に施設される、屋側の他の低圧電線、管灯回路の配線、弱電流電線等、水管、ガス管またはこれらに類するものと接近・交差する場合は、第3項により第167条に準じて施設します。
屋側配線との違い
第110条は電線路の規定で、電気使用場所の屋側配線は別の条文で扱われます。屋側配線に使える工事は第166条の6種類で整理しています。言葉の違いは屋内配線・屋側配線・屋外配線の違いも参照してください。
この整理で言えないこと
- 個別の電線路が「1構内等」に当たるか、第110条に適合するかは判定しません。
- 110-1表の電線の種類ごとの数値は、原文で確認してください。
- 高圧屋側電線路は第111条の記事にあります。特別高圧屋側電線路は第112条で、この記事では扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の電線路の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第110条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
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