電気設備の技術基準の解釈 第29条

機械器具の金属製外箱の接地と省略できる場合(解釈第29条)

機械器具の金属製の台と外箱には、使用電圧が300V以下の低圧ならD種、300V超の低圧ならC種、高圧・特別高圧ならA種の接地工事を施します。ただし第2項が、乾燥した場所に施設する場合や漏電遮断器を設ける場合など8つの場合は接地工事によらなくてよいと定めています。

公開日: 2026-10-28 / 最終更新: 2026-10-28 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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金属製外箱等の接地の種類(第1項)

電路に施設する機械器具の金属製の台と外箱(条文では「金属製外箱等」)には、使用電圧の区分に応じて、29-1表の接地工事を施します。外箱のない変圧器や計器用変成器は、鉄心が対象です。

機械器具の使用電圧と接地工事(第29条第1項 29-1表)
機械器具の使用電圧の区分接地工事
低圧で300V以下D種接地工事
低圧で300V超C種接地工事
高圧または特別高圧A種接地工事

第1項には、外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないようにさくなどを設けて施設する場合、または絶縁台を設けて施設する場合は、この規定によらないというただし書もあります。 A種〜D種それぞれの接地抵抗値や接地線の太さは、接地工事のA種・B種・C種・D種の記事で整理しています。

接地工事によらなくてよい8つの場合(第2項)

第2項は、次の8つのうちどれか1つに当たれば、第1項の接地工事によらないことができると定めています。1つ満たせばよく、全部を満たす必要はありません。

接地工事によらないことができる場合(第29条第2項)
号条件
一交流の対地電圧が150V以下、または直流の使用電圧が300V以下の機械器具を、乾燥した場所に施設する場合
二低圧用の機械器具を、乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性のものの上で取り扱うように施設する場合
三電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具を施設する場合
四低圧用の機械器具に電気を供給する電路の電源側に、2次側線間電圧が300V以下で容量が3kVA以下の絶縁変圧器を施設し、かつ、その負荷側の電路を接地しない場合
五水気のある場所以外に施設する低圧用の機械器具に電気を供給する電路に、電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器(定格感度電流15mA以下、動作時間0.1秒以下の電流動作型に限る)を施設する場合
六金属製外箱等の周囲に適当な絶縁台を設ける場合
七外箱のない計器用変成器が、ゴム、合成樹脂その他の絶縁物で被覆したものである場合
八低圧用・高圧用の機械器具、第26条の配電用変圧器やこれに接続する電線に施設する機械器具、第108条の特別高圧架空電線路の電路に施設する機械器具を、木柱その他これに類する絶縁性のものの上で、人が触れるおそれがない高さに施設する場合

第一号は「乾燥した場所」、第五号は「水気のある場所以外」と、場所の条件が別の言い方になっています。 水気のある場所では第五号は使えず、第一号も乾燥した場所であることが条件です。 どの場所が水気のある場所に当たるかは、設備ごとの個別判断になるため、この記事では判定しません。

第五号の漏電遮断器は、電源側に設ける設備です。 漏電遮断器そのものを設置する電路の条件は、漏電遮断器を設置する電路の条件(第36条)の記事にあります。

小規模発電設備の燃料電池は第2項の対象外

機械器具が小規模発電設備である燃料電池発電設備の場合は、第2項の8つの例外を使えません。第2項の冒頭が、この場合を除くと書いているためです。

家庭用燃料電池が電気工作物のどの区分に当たるかは家庭用燃料電池の電気工作物の区分で整理しています。

高圧ケーブルの遮へい層による連接接地(第3項)

高圧ケーブルに接続する高圧用の機械器具の外箱の接地は、JESC E2019(2015)の技術的規定により施設できます。規格の名称は「高圧ケーブルの遮へい層による高圧用の機械器具の金属製外箱等の連接接地」で、JESCは日本電気技術規格委員会の規格です。 規格の中身は条文に書かれていないため、この記事では取り上げません。

直流300V超450V以下のC種接地は100Ω以下にできる場合(第4項)

使用電圧が300V超450V以下の直流電路の機械器具は、次の6つ(第三号〜第五号は設備の種類に応じた条件)に適合すればC種接地工事の接地抵抗値を100Ω以下にできます。対象は、太陽電池モジュール・燃料電池発電設備・常用電源として用いる蓄電池に接続する直流電路の機械器具です。通常のC種は、第17条第3項第一号の規定によります。

C種接地工事を100Ω以下にできる条件(第29条第4項)
号条件
一直流電路は非接地であること
二直流電路に接続する逆変換装置の交流側に、絶縁変圧器を施設すること
三太陽電池モジュールは、直流電路に接続されるモジュールの合計出力が10kW以下であること
四燃料電池発電設備は、個々の出力がそれぞれ10kW未満であること
五蓄電池は、個々の出力がそれぞれ10kW未満であること
六直流電路に、太陽電池モジュール・燃料電池発電設備・蓄電池・直流変換装置・逆変換装置・避雷器など条文が挙げる器具以外の機械器具を施設しないこと

第三号から第五号は、直流電路を構成する設備の種類ごとに出力の上限が違います。 太陽電池は合計10kW以下、燃料電池と蓄電池は個々に10kW未満で、「以下」と「未満」が使い分けられています。 太陽光発電の出力と電気工作物の区分の関係は、太陽光発電設備の設置工事と登録の要否で確認できます。

この整理で言えないこと

建物の鉄骨を接地極に使える条件は、建物の鉄骨を接地極に使える条件(解釈第18条)で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第29条)です。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいこと:接地工事のA種・B種・C種・D種、漏電遮断器を設置する電路の条件(解釈第36条)、地中電線の金属部分のD種接地工事(解釈第123条)

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。