公式資料をもとに整理
火災報知設備の工事は電気工事士だけでできる?
自動火災報知設備の設置工事は、電源の部分を除いて、消防設備士免状(甲種第4類)の交付を受けた人でなければ行えません(消防法第17条の5、同法施行令第36条の2)。電気工事士の免状だけでは感知器や受信機を取り付ける工事そのものはできませんが、電気工事士の免状は甲種消防設備士の受験資格になります。工事を請ける前に確認する免状の区分と受験資格を、条文から整理します。
公開日: 2026-10-29 / 最終更新: 2026-10-29 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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消防設備士でなければ行えない工事(法第17条の5)
消防法第17条の5は、消防設備士免状の交付を受けていない人は、法令の技術上の基準に従って設置しなければならない消防用設備等の工事(設置に係るものに限る)または整備のうち、政令で定めるものを行ってはならないと定めています。政令で定めているのが、消防法施行令第36条の2です。
つまり、電気工事士の免状を持っていても、政令で定める消防用設備等の設置工事は、消防設備士でなければ行えません。電気工事士法の免状と、消防法の免状は別の制度です。
自動火災報知設備は第4類、電源の部分は除かれる
| 確認する点 | 条文の定め |
|---|---|
| 工事の対象に入っているか | 施行令第36条の2第1項第9号に「自動火災報知設備」が挙げられている |
| 免状の区分 | 甲種・乙種とも第4類(自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備)(施行規則第33条の3) |
| 除かれる部分 | 第9号の設備は「電源の部分」を除く(水源・配管の除外は第1号から第3号と第8号の設備の定め) |
電源の部分が消防設備士の工事から除かれるという点は、条文のかっこ書きから読み取れます。ただし、除かれるからといって誰でも工事できるという意味ではありません。電源の配線が電気工事士の資格を要する工事に当たるかは電気工事士法の対象かどうかで決まり、その範囲は電気工事士でなくてもできる作業のガイドで確認できます。
甲種と乙種でできることの違い
- 甲種第4類は、自動火災報知設備などの工事と整備を行えます(施行規則第33条の3第1項)。
- 乙種第4類は、同じ設備の整備を行えます(同条第3項)。条文の表で乙種に定められているのは整備で、設置の工事は含まれていません。
- 設置工事を請ける場合は、甲種第4類の免状を持つ人が行うか、免状を持つ人を配置できる事業者へ依頼する形になります。
電気工事士は甲種の受験資格になる
一般財団法人消防試験研究センターの案内では、乙種は誰でも受験できます。甲種(特類以外)は、大学の指定学科などの卒業、実務経験、または特定の資格・免状を持つことが受験の条件で、その資格の一つに電気工事士が挙げられています。どの種類の免状が対象になるかは案内に明記がないため、受験する都道府県の支部に確認してください。
電気工事業の事業者にとっては、免状を持つ従業員が受験資格を満たせる可能性があります。受験の手続きや試験の一部免除の内容は、センターの案内で確認してください。
この整理で言えないこと
- 個別の工事が消防設備士の工事に当たるか、軽微な整備に当たるかは判定しません。
- 自動火災報知設備の設置義務がある建物の範囲や、消防への届出(着工届など)の手続きは扱いません。
- 電源の部分の工事に電気工事士の免状が必要かどうかは、個別の配線の内容で変わるため断定しません。
- 消火器や屋内消火栓など、第4類以外の設備は扱いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の工事の扱いは、所轄の消防本部・消防署の予防担当で確認してください。条文はe-Gov法令検索「消防法」、e-Gov法令検索「消防法施行令」、e-Gov法令検索「消防法施行規則」、 受験資格は消防試験研究センター「受験資格」です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいことは、設備ごとの資格の一覧は設備の設置工事と資格・登録の一覧、非常用照明は誘導灯・非常用照明のガイド、免状が必要な工事は電気工事士でなくてもできる作業のガイドです。