現場の朝礼や作業前ミーティングで使う場合

電気工事のKY活動の進め方と4ラウンド法の記入例

KY活動(正式には危険予知訓練、略してKYT)は、イラストシートなどを使って、危険を見つけ、重点を絞り、対策を決める4段階(4ラウンド)で進めます。厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」が示す基礎4ラウンド法に沿って各段階の進め方を整理し、電気工事の感電防止の条文(労働安全衛生規則第339条など)を3ラウンドの対策案に結びつける作例を示します。

公開日: 2026-10-28 / 最終更新: 2026-10-28 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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基礎4ラウンド法の4段階

厚生労働省の職場のあんぜんサイト(危険予知訓練)によると、危険予知訓練は、作業や職場にひそむ危険要因を発見し解決する能力を高める手法です。KYTは、危険のK、予知のY、訓練(トレーニング)のTの頭文字です。中央労働災害防止協会の問題解決4ラウンド法に、旧国鉄の指差し呼称を組み合わせた「KYT4ラウンド法」が標準とされています。

KYT基礎4ラウンド法の4段階
ラウンドテーマやること
1Rどんな危険がひそんでいるかイラストシートの状況にひそむ危険を発見し、危険要因とそれが引き起こす現象を出し合って、チームで共有する
2Rこれが危険のポイント重要と思う危険に○印、合意で絞り込んだものに◎印とアンダーラインをつけて「危険のポイント」とし、指差し唱和で確認する
3Rあなたならどうする◎印をつけた危険のポイントを解決する具体的な対策案を出し合う
4R私達はこうする対策を合意で絞り込んで「重点実施項目」(※印)とし、実践するための「チーム行動目標」を決めて、指差し唱和で確認する

準備から締めくくりまでの進め方

同じページには、具体的な進め方の例も載っています。主な手順は次のとおりです。

1Rで「危険要因」と「事故の型」をセットで言う決まりにしておくと、発言が「危ない」だけで終わりません。電気工事の現場では、「どこに触れるか」と「感電する」までを一文にします。

停電作業を題材にした記入の作例

次の表は、4ラウンドの書き方を示すための当サイトの作例です。厚生労働省の資料に載っている事例ではありません。場面は「高圧の電路を開路して行う点検作業」を想定し、3Rの対策案には、労働安全衛生規則の条文が事業者に求めている措置を使っています。

高圧電路を開路して点検する場面の記入作例(当サイトの作例)
ラウンド記入の作例根拠にした条文
1R開閉器が入ったままなので、電路に触れて感電する/ケーブルに残った電気を放電しないまま触れて感電する/誰かが開閉器を入れて通電する第339条第1項
2R◎ 誰かが開閉器を入れて通電する第339条第1項第1号、第2項
3R開閉器に施錠し、通電禁止の表示をつける(条文では監視人を置く方法も選べる)/安全な方法で残留電荷を放電させる/検電器具で停電を確認する/短絡接地器具で確実に短絡接地する第339条第1項第1号〜第3号
4R※ 開閉器に施錠して通電禁止を表示し、検電と短絡接地を終えてから作業にかかる。行動目標は「開閉器を開けたら、施錠・表示・検電・短絡接地を指差して確認してから触ろう」第339条第1項第1号・第3号

第339条第1項は、電路を開路して電気工事の作業を行うとき、開路した後に次の措置を求めています。

同条第2項は、開路した電路に通電しようとするときは、作業者に感電の危険がないことと、短絡接地器具を取りはずしたことを、あらかじめ確認するよう定めています。

KYTは現場の危険の見つけ方を鍛える手法で、条文の措置を代わりに行うものではありません。第350条は、第339条の作業などを行うとき、作業期間・内容・取り扱う電路などを労働者に周知させ、作業の指揮者を定めることを事業者に求めています。KYTで決めた行動目標は、その作業指揮者の確認と合わせて使います。

各条の対象となる作業と電圧の区分は電気工事の活線作業・停電作業の安全措置のガイドで確認できます。

次に知りたいこと

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。作例は手法の説明用です。実際の作業では、作業内容に応じた法令・社内規程・発注者や元請の指示に従ってください。