公式資料をもとに整理
電気用品の改善命令・立入検査・氏名公表
経済産業大臣は、電気用品の事業者に改善命令・危険等防止命令を出し、立入検査をし、違反した者の氏名を公表できます。命令に従わないと、最も重い場合は1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金です。
公開日: 2026-10-28 / 最終更新: 2026-10-28 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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大臣ができる6つの対応
電気用品安全法は、経済産業大臣に、改善命令・危険等防止命令・表示の禁止・報告徴収・立入検査・氏名の公表の6つの権限を与えています。主な相手は電気用品の製造・輸入・販売の事業者です。電気工事士が工事に使う側の義務(表示のない電気用品を使わない義務)は別の規定で、電気工事士自身は報告徴収・立入検査の対象に挙がっていません。
| 権限 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 改善命令 | 第11条 | 基準適合義務に違反した届出事業者に、製造・輸入・検査の方法などの改善を命じる |
| 表示の禁止 | 第12条 | 1年以内の期間を定めて、その型式への表示を禁止する |
| 危険等防止命令 | 第42条の5 | 危険・障害の拡大を防ぐため、販売した電気用品の回収などを命じる |
| 報告徴収 | 第45条 | 事業者に業務について報告をさせる |
| 立入検査 | 第46条 | 職員が事務所・工場・店舗・倉庫に立ち入り、電気用品や帳簿を検査し、質問する |
| 氏名等の公表 | 第42条の8 | 違反行為をした者の氏名・名称などを公表する |
改善命令・表示禁止・危険等防止命令の違い
改善命令は届出事業者だけが対象で、危険等防止命令は、基準に適合しない電気用品や表示のない電気用品を販売した事業者が対象です。3つは、命じる相手と、命じる内容が違います。
- 改善命令(法第11条): 届出事業者が技術基準への適合義務(法第8条第1項)に違反していると認めるときに、製造・輸入・検査の方法その他の業務の方法の改善に必要な措置を命じます。
- 表示の禁止(法第12条): 届出事業者に、1年以内の期間を定めてその型式への表示を禁止します。技術基準に適合しない型式では、危険・障害の発生を防ぐため特に必要なときに限られます。検査義務(第8条第2項)や適合性検査(第9条第1項)の違反、改善命令の違反も対象です。
- 危険等防止命令(法第42条の5): 表示のない電気用品を販売した事業者、または届出に係る型式で技術基準に適合しないものを製造・輸入・販売した届出事業者に、販売した電気用品の回収など、危険・障害の拡大を防ぐ措置を命じます。危険・障害が発生するおそれがあり、拡大を防ぐため特に必要なときに限られます。
命令の前提になる検査記録の義務は電気用品の自主検査の記録と適合性検査にまとめています。
立入検査と報告徴収の対象
立入検査と報告徴収の対象は、電気用品の製造・輸入・販売の事業を行う者(特定輸入事業者の国内管理人を含む)と、電気用品を部品に使って政令で定める物品を製造する事業者です。電気工事業者が電気用品の販売の事業を行う場合は、条文上の対象に含まれます(法第45条第1項、第46条第1項)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 立ち入る場所 | 事務所、工場、事業場、店舗、倉庫 |
| 検査するもの | 電気用品、帳簿、書類その他の物件。関係者への質問も行う |
| 職員の義務 | 身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示する |
| 検査の性格 | 犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない |
場所で検査することが著しく困難なときは、大臣は電気用品を提出するよう命じることもできます(法第46条の2)。この提出命令で通常生じる損失を補償する規定もあります(同条第2項・第3項)。
違反者の氏名の公表
大臣は、危険・障害の拡大を防ぐ必要があるときに、法令違反をした者の氏名・名称などを公表できます。公表するのは、氏名・名称のほか、危険・障害の拡大を防ぐために必要な事項です(法第42条の8)。公表の方法は経済産業省令で定められています。
応じなかったときの罰則
危険等防止命令に違反すると、1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金で、報告や立入検査に応じないと30万円以下の罰金です。会社が違反した場合は、行為者に加えて法人にも罰金が科されます(法第59条)。危険等防止命令などの違反では、法人は1億円以下の罰金です。
| 違反の内容 | 条文 | 罰則 |
|---|---|---|
| 危険等防止命令に違反 | 第57条第6号 | 1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(併科あり)。法人は1億円以下の罰金 |
| 表示の禁止に違反(基準不適合の型式) | 第57条第2号 | 同上。法人は1億円以下の罰金 |
| 報告をしない・虚偽の報告 | 第58条第10号 | 30万円以下の罰金 |
| 立入検査を拒む・妨げる、質問に正当な理由なく答えない・虚偽の陳述をする | 第58条第11号 | 30万円以下の罰金 |
| 電気用品の提出命令に違反 | 第58条第12号 | 30万円以下の罰金 |
この整理で言えないこと
- どの製品がどの命令の対象になるかは、個別の事案ごとに大臣が判断するため、本記事では扱いません。
- 公表の様式や、実際の命令・公表の件数は扱いません。
- 立入検査は、大臣の指示で独立行政法人製品評価技術基盤機構が行う場合があります(法第46条第4項)。
- 表示の禁止に違反した場合に第57条の罰則が科されるのは、技術基準に適合しない型式への禁止(第12条第1項第1号)に限られます。
- 権限の一部は政令で都道府県知事・市長が行う場合があり、窓口の確認が必要です。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の販売や製造が命令や立入検査の対象になるかは、経済産業省または管轄の経済産業局で確認してください。条文の根拠はe-Gov法令検索「電気用品安全法」(第11条、第12条、第42条の5、第42条の8、第45条、第46条、第46条の2、第57条〜第59条、2026-10-28確認)です。
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