公式資料をもとに整理

電動工具に漏電遮断装置は必要?労働安全衛生規則第333条の対象と除外

対地電圧150ボルト超の移動式・可搬式の電動工具と、濡れた場所や鉄骨上などで使うものには、漏電遮断装置の接続が必要です。労働安全衛生規則第333条が事業者に義務づけています。漏電遮断装置をつけるのが難しいときの接地による代替、第334条の適用除外、使用前点検、注文者の義務を整理します。

公開日: 2026-10-30 / 最終更新: 2026-10-30 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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漏電遮断装置が必要な電動機械器具(第333条第1項)

e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」の第333条第1項は、電動機を有する機械・器具(電動機械器具)のうち、次のどちらかに当たる移動式・可搬式のものについて、その器具が接続される電路に、定格に適合し、感度が良好で、確実に作動する感電防止用漏電遮断装置を接続することを事業者に求めています。

第333条第1項の対象
区分条文の条件
電圧で決まるもの対地電圧が150ボルトを超える移動式・可搬式の電動機械器具
場所で決まるもの水など導電性の高い液体で湿潤している場所、その他鉄板上・鉄骨上・定盤上など導電性の高い場所で使う移動式・可搬式の電動機械器具

条文は電圧と場所を「または」でつないでいます。単相100ボルトの電動工具は対地電圧が150ボルト以下なので電圧の条件には当たりませんが、濡れた場所や鉄骨上などで使う移動式・可搬式のものは、場所の条件で対象になります。電動のドリル、グラインダー、コード付きの照明器具が対象に入るかは、電動機を有するかどうかと、移動式・可搬式かどうかで判断します。

漏電遮断装置のかわりに接地する方法(第333条第2項)

第333条第2項は、第1項の措置を講ずることが困難なときに限り、電動機械器具の金属製外わく・電動機の金属製外被などの金属部分を接地して使うことを認めています。接地の方法は次のとおり決められています。

接地は、あくまで漏電遮断装置を接続しにくいときの代替です。条文の順序も、漏電遮断装置が先に置かれています。

適用除外の3つ(第334条)

第334条は、第333条を適用しない電動機械器具を次の3つに限っています。

二重絶縁の電動工具なら何でも除外されるわけではなく、特定電気用品で、法定の表示が付いているものという条件があります。電気用品の区分や表示の見方は、PSEマークの対象と使用制限のガイドから確認できます。

使用前点検(第352条)

第352条は、表に掲げる電気機械器具等を使うときは、その日の使用を開始する前に点検し、異常を認めたときは直ちに補修または取り換えることを事業者に義務づけています。表のうち、この記事の内容に関わる行は次の2つです。

漏電遮断装置を接続したら終わりではなく、毎日の使い始めに作動状態を点検することまでが条文の義務です。

注文者の義務(第649条)

第649条は、労働安全衛生法第31条第1項の場合に、注文者へ同じ趣旨の義務を課しています。法第31条第1項は、特定事業の仕事を自ら行う注文者が、建設物・設備・原材料を、請負人の作業従事者に使わせる場合の定めです。

注文者が請負人側の作業従事者に、第333条に当たる電動機械器具を使わせるときは、その電路に感電防止用漏電遮断装置を接続しなければなりません。接続が困難なときは、第333条第2項の方法で接地できるものにしておく必要があります。

どの現場のどの契約関係が法第31条第1項に当たるかは、条文だけでは決まりません。下請に入る側も、使う電源に漏電遮断装置がつながっているかを、使い始める前に確認する手がかりになります。

電気設備側の漏電遮断器の設置義務(解釈第36条)は、漏電遮断器の設置義務のガイドにあります。仮設の配線の規定は仮設の電気工事の資格・登録のガイド、移動電線の被覆や通路での使用は現場の移動電線・仮設配線のガイド、停電・活線作業の安全措置は停電・活線作業の安全措置のガイドで整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。安全管理の個別の助言もしていません。現場ごとの措置が条文に適合するか、注文者に当たるかは、所轄の労働基準監督署や、事業場の安全衛生担当者・専門家に確認してください。

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