電気設備の技術基準の解釈 第149条第2項第二号・第三号
電動機の分岐回路の遮断器と電線の許容電流(解釈第149条)
電動機だけに至る低圧分岐回路は、過電流遮断器の定格電流を、直接つながる負荷側の電線の許容電流の2.5倍以下にします。電線の許容電流は、電動機の定格電流の合計の1.25倍以上(合計が50Aを超えるときは1.1倍以上)が必要です。
公開日: 2026-10-29 / 最終更新: 2026-10-29 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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一般の分岐回路と何が違うか
第149条第2項は、分岐回路を3つに分け、電動機などだけに至る回路(第二号)と、定格電流が50Aを超える機器1台に至る回路(第三号)には、一般の回路(第一号)の電線の太さの表を使いません。一般の回路は、過電流遮断器の定格電流を50A以下とし、遮断器の種類ごとの電線の太さ(149-1表)を使います。 その読み方は低圧分岐回路の電線の太さとコンセントの定格電流で整理しています。
| 号 | 対象 | 電線の決め方 |
|---|---|---|
| 第一号 | 第二号・第三号以外の回路 | 過電流遮断器の種類ごとの太さの表(149-1表) |
| 第二号 | 電動機等のみに至る回路 | 電動機等の定格電流の合計から計算した許容電流 |
| 第三号 | 定格電流が50Aを超える1台の電気使用機械器具に至る回路(電動機等を除く) | 機器と遮断器の定格電流以上の許容電流 |
第二号の「電動機等」は、電動機またはこれに類する起動電流が大きい電気機械器具をいいます。
過電流遮断器は電線の許容電流の2.5倍以下
電動機等のみに至る分岐回路の過電流遮断器の定格電流は、その遮断器に直接つながる負荷側の電線の許容電流の2.5倍以下です(第二号イ)。起動時の大きな電流で遮断器が動作しないよう、一般の回路より大きな倍率が認められています。
- 電線の許容電流が100Aを超え、2.5倍した値が遮断器の標準定格に当たらないときは、その値の直近上位の標準定格まで認められます。
- 第33条第4項の過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器などを組み合わせた装置を使うときは、倍率は2.5倍ではなく1倍です。
- 第1項の定めにより、遮断器は分岐点から電線の長さ3m以下の箇所に置くのが原則です。
2.5倍の考え方は、電線を守る遮断器の定格を、電線の許容電流より大きくしてよいという例外です。 一般の回路の遮断器の動作時間は、低圧のヒューズと配線用遮断器の動作時間(解釈第33条)で整理しています。
電線の許容電流は電動機の定格電流の合計の1.25倍以上
電線の許容電流は、その部分を通じて供給される電動機等の定格電流の合計の1.25倍以上です。合計が50Aを超えるときは1.1倍以上です(第二号ロ)。間欠使用その他の特殊な使用方法による場合は、この定めによりません。
| 項目 | 倍率の基準 |
|---|---|
| 電線の許容電流 | 電動機等の定格電流の合計が50A以下: 1.25倍以上 |
| 電線の許容電流 | 電動機等の定格電流の合計が50A超: 1.1倍以上 |
| 過電流遮断器の定格電流 | 負荷側の電線の許容電流の2.5倍以下 |
同じ1.25倍・1.1倍の区切りは、低圧幹線の電線の許容電流を定める第148条第1項第二号にもあります。 幹線では、電動機等の定格電流の合計が他の機器の合計より大きいときに、他の機器の合計へ電動機等の分を加えて計算します。 分岐回路の第二号は、電動機等だけが対象のため、電動機等の合計に倍率をかけます。
定格電流50A超の機器1台だけの分岐回路
定格電流が50Aを超える電気使用機械器具1台に至る分岐回路には、その機器以外の負荷を接続せず、過電流遮断器の定格電流は機器の定格電流の1.3倍以下にします(第三号)。電動機等は、この号の対象から除かれます。
- 1.3倍した値が遮断器の標準定格に当たらないときは、その値の直近上位の標準定格まで認められます。
- 電線の許容電流は、機器の定格電流と、遮断器の定格電流の両方以上にします。
- 一般の回路の遮断器は50A以下とされているため(第一号イ)、50Aを超える機器は、この号で別に扱われます。
この整理で言えないこと
- 個別の電動機について、何Aの遮断器と何mm2の電線にすればよいかは判定しません。許容電流の値は、電線の種類や敷設方法によって変わります。
- 電線の許容電流の計算(第146条)や、電動機の過負荷保護(第153条)は扱いません。
- 中性線を有する分岐回路(第3項)と開閉器の省略(第4項)は別の記事で整理しています。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の回路の設計は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第33条・第148条・第149条)です。
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