公式資料をもとに整理
求職者等へのセクハラ防止措置(令和8年10月から義務)
令和8年10月1日から、労働者を雇用する全ての事業主は、自社の労働者による求職者等へのセクシュアルハラスメントを防ぐ措置を講じなければなりません。対象は面接の参加者だけでなく、インターンシップの参加者や労働者を訪問する人も含みます。対象になる人、講じる措置、相談先を厚生労働省の資料で整理します。
公開日: 2026-10-29 / 最終更新: 2026-10-29 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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義務化の時期と対象の事業主
令和7年の法改正により、事業主は、労働者による求職者等へのセクシュアルハラスメントを防止するため、雇用管理上必要な措置を講じることが、令和8年10月1日から義務になります。厚生労働省は「労働者を雇用する全ての事業主」が対象としています(厚生労働省 Webマガジン「令和8年10月1日からハラスメント対策が強化されました!」)。
従業員が少ない会社や個人事業主でも、労働者を雇っていれば対象です。
従業員に対する職場のセクハラの措置は、すでに義務です(セクハラ防止措置のガイド)。同じ日から、顧客等からのハラスメント対策も義務になります。その措置は顧客等からのハラスメント対策のガイドで整理しています。
求職者等へのセクハラとは
厚生労働省は、求職者等に対するセクシュアルハラスメントを、事業主が雇用する労働者による「性的な言動」によって、求職者等の求職活動等が阻害されるものと説明しています。同性に対するものも該当します(厚生労働省 Webマガジン「安心して働ける職場へ ─ ハラスメント対策の強化で何が変わる?」)。
対象になるのは、事業主が雇用する労働者による言動です。採用担当者に限定されていません。
厚生労働省が挙げる例は、次の3つです(厚生労働省 Webマガジン「求職活動等をする方を守るために ― 求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策の新ルール」)。
- インターンシップ中に、労働者が性的な冗談やからかいを行い、参加者が苦痛で活動が手につかなくなる。
- 求職者等が労働者を訪問したとき、その労働者に性的な関係を求められ、求職活動への意欲が低下する。
- インターンシップ中に、労働者が私的な食事に執拗に誘い、参加者が苦痛で意欲が低下する。
求職者等と求職活動等の範囲
「求職者等」と「求職活動等」は、次の範囲です。オンラインや、会社の外で行われるものも含まれます。
| 項目 | 範囲 |
|---|---|
| 求職者等に当たる人 | 求人に応募する人/採用に役立つ活動(就職説明会など)に参加する人/インターンシップや教育実習、看護実習などを受ける人/労働者を訪問するOG・OB訪問の人 |
| 求職活動等の例 | 採用面接や就職説明会への参加、労働者への訪問、インターンシップへの参加、実習の受講。SNSなどオンラインで行うもの、飲食店など通常の就業場所以外で行うものも含む |
| 含まれない人 | 授業の一環としての社会科見学など、専ら教育を目的として行われるものに参加する人 |
事業主が講じる4つの措置
厚生労働省は、事業主が講じなければならない措置を、次の4つとして示しています。顧客等からのハラスメント対策にある「抑止のための措置」は、求職者等へのセクハラ対策にはありません。
| 措置 | 内容 |
|---|---|
| ① 方針の明確化と周知・啓発 | 行ってはならない旨の方針と、行った者に厳正に対処する旨の方針・内容を定め、労働者に周知する。面談の時間や場所の指定、実施体制、やり取りに使うSNSの種類などのルールも先に決め、労働者と求職者等の両方に周知する |
| ② 相談体制の整備 | 相談窓口をあらかじめ定めて求職者等に周知する。窓口の担当者が適切に対応できるようにする |
| ③ 迅速かつ適切な対応 | 相談があれば事実関係を迅速かつ正確に確認する。事実が確認できたら、被害を受けた求職者等への配慮の措置と、行為者への措置を適正に行い、再発防止の措置も講じる |
| ④ 併せて講じる措置 | 相談者や労働者のプライバシーを守る措置を講じて周知する。事実確認に協力したことを理由に労働者が不利益な取扱いを受けない旨を定めて周知する |
行為者への措置を就業規則などの文書に定める場合は、就業規則の作成・届出のガイドが参考になります。従業員向けの職場のパワーハラスメントの措置はパワハラ防止措置のガイドで、求人の出し方は求人票の労働条件の明示のガイドで整理しています。
被害を受けた人の相談先
厚生労働省は、被害を受けた人は、事業主が設けた相談窓口のほか、大学のキャリアセンターなど教育機関の窓口にも相談できるとしています。どちらに相談するかは、本人が事案の状況に応じて判断します。都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)にも相談できます。
教育機関から情報提供があったときは、事業主はその窓口と連携して適切に対応することが望まれる、とされています。
この整理で言えないこと
- 個別の言動が「性的な言動」に当たるか、求職活動等が阻害されたかは、この記事では判断できません。
- 措置の細かい要件は、厚生労働大臣の指針で定められます。この記事は厚生労働省の解説の範囲で整理しており、指針の条文までは確認していません。
- 電気工事の現場で、どの場面が求職活動等に当たるかは扱いません。現場での扱いは、都道府県労働局で確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。措置の具体的な内容や個別の相談は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で最終確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいことは、従業員の職場の暴言への対応はパワハラ防止措置のガイド、顧客からの迷惑行為は顧客等からのハラスメント対策のガイド、採用時の書面は労働条件通知書のガイドで確認できます。