電気設備の技術基準の解釈 第15条
高圧電路の絶縁耐力試験の試験電圧(交流1.5倍・10分間)
最大使用電圧が7,000V以下の交流の高圧電路では、最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を電路と大地の間に連続して10分間加え、耐えることが絶縁性能の基準です。公称電圧6,600Vの電路なら、計算上の試験電圧は10,350Vです。 ケーブルを使う交流の電路は、試験電圧の2倍の直流電圧を加える方法でも確認できます。
公開日: 2026-10-28 / 最終更新: 2026-10-28 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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試験電圧のもとになる最大使用電圧
試験電圧は、通常の使用状態で電路に加わる最大の線間電圧(最大使用電圧)に倍率を掛けて決まります(解釈第1条第二号)。公称電圧どおりの電路(JEC-0222「標準電圧」の公称電圧に等しい電路)では、使用電圧に1-1表の係数を掛けて求めます。 1,000Vを超え500,000V未満の係数は1.15/1.1です。
| 公称電圧 | 最大使用電圧(×1.15/1.1) | 交流の試験電圧(×1.5) | ケーブルの直流の試験電圧(交流の2倍) |
|---|---|---|---|
| 3,300V | 3,450V | 5,175V | 10,350V |
| 6,600V | 6,900V | 10,350V | 20,700V |
表の数字は、解釈の係数と倍率を使った計算例です。 実際の試験電圧は、電路の最大使用電圧を確認したうえで決めます。
7,000V以下の電路の試験電圧と時間
高圧電路は、15-1表の試験電圧を電路と大地の間に連続して10分間加えたとき、これに耐える性能が必要です(第15条第一号)。多心ケーブルは、心線どうしの間と、心線と大地の間にも加えます。
| 電路の種類 | 試験電圧 |
|---|---|
| 交流の電路 | 最大使用電圧の1.5倍の交流電圧 |
| 直流の電路 | 最大使用電圧の1.5倍の直流電圧、または1倍の交流電圧 |
6.6kVのキュービクル式受電設備の高圧回路は、公称電圧が6,600Vで最大使用電圧が6,900Vとなるため、この区分に入ります。 設備の概要はキュービクルの更新時期で整理しています。
ケーブルは直流2倍でも確認できる
電線にケーブルを使う交流の電路は、15-1表の試験電圧の2倍の直流電圧を、電路と大地の間に連続して10分間加える方法でも基準を満たせます(第15条第二号)。6,600Vの電路の計算例では、交流10,350Vの2倍で直流20,700Vです。
どちらの方法でも、加える時間は連続10分間です。 交流でも直流でも、基準は「耐えること」で、試験電圧の数字だけを合わせれば足りるわけではありません。
7,000Vを超える電路の試験電圧
最大使用電圧が7,000Vを超え60,000V以下の電路は、中性点の接地の仕方で倍率が変わります(15-1表)。
| 電路の種類 | 試験電圧 |
|---|---|
| 最大使用電圧15,000V以下の中性点接地式電路(中性線に多重接地するものに限る) | 最大使用電圧の0.92倍 |
| 上記以外の中性点接地式電路 | 最大使用電圧の1.25倍(10,500V未満となる場合は10,500V) |
| 中性点非接地式電路 | 最大使用電圧の1.25倍 |
60,000Vを超える電路や、特別高圧の電路の確認方法(第三号・第四号)は、この記事では扱いません。 電圧の区分は低圧・高圧・特別高圧の電圧区分で確認できます。
低圧電路・変圧器との違い
| 対象 | 条文 | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 低圧の電路 | 第14条 | 省令第58条の絶縁抵抗値によるか、絶縁抵抗の測定が困難な場合は漏えい電流1mA以下 |
| 高圧・特別高圧の電路 | 第15条 | 試験電圧を10分間加えて耐えること(本記事) |
| 変圧器の電路 | 第16条 | 16-1表の試験電圧を加えて耐えること(最大使用電圧7,000V以下の巻線は1.5倍、500V未満となる場合は500V) |
低圧の絶縁抵抗値は低圧電路の絶縁抵抗の基準値、測定器の校正は絶縁抵抗計・接地抵抗計の校正で整理しています。 変圧器の電路は、第15条ではなく第16条が対象です。
この整理で言えないこと
- 個別の設備について、試験を実施する時期、試験を行う人、合格の判定は扱いません。
- 第15条第三号(最大使用電圧170,000V超の地中電線路)と第四号(特別高圧の電路)の確認方法、第16条の変圧器の試験方法の詳細は扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
自家用電気工作物の保安の体制は高圧受電設備の点検頻度で整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の設備の試験電圧や試験の実施は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第1条・第14条から第16条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:避雷器を施設する箇所、接地工事A種・B種・C種・D種の違い、省令と解釈の違い